【北アルプスの秘境】(後編)3泊4日、裏銀座縦走路をソロテント泊で登ってきたら想像以上に過酷だった話

前回の続きです。

北アルプス裏銀座縦走、3日目。

ここまでは天気も良く、大きなトラブルもありませんでしたが…

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【3日目】嵐に遭遇。まさかの撤退か。

3日目。この日は朝から大雨。槍ヶ岳に向かいますが、果たして辿り着けるのか心配です。

写真は三俣蓮華岳。長野県、岐阜県、富山県の三県の境界線にあるのでそう呼ばれています。

双六岳に到着。双六岳のピークはだだっ広く、道が分かりにくくなっているので、天気が悪い場合には道迷いに注意が必要です。

双六小屋に到着。この先は、西鎌尾根と呼ばれる槍ヶ岳まで続く険しい道に入ります。これ以上天候が酷くなるようであれば危険なので、槍ヶ岳へは向かわず、小池新道からエスケープすることも考えました。

雨風が少し落ち着いたので、悩んだ末、進むことに。

硫黄乗越で絶滅危惧種のニホンライチョウに遭遇しました。

なんでこんな天気の悪い日に?ライチョウさんですか?

と名前を聞いても返事はありません(3日目の疲労で完全に頭がボケてる)。どうやら、天敵から身を守るために、あえて天気の悪い日に行動する習性があるそうです。悪天候の中、親子で懸命に生きる姿に励まされました。

槍ヶ岳に到着

三俣山荘から歩き続けること8時間。無事、槍ヶ岳に到着しました。ただでさえ長い道のりですた、景色がなんも見えないので、余計に長く感じました。

槍ヶ岳山荘でいただいたカップヌードル。人生で食べたカップヌードルで一番美味しかったのは言うまでもありません。感謝感謝です。

【4日目】いよいよ下山日

4日目。いよいよ下山日です。相変わらずの天気。夜中にテントが壊れるんじゃないかと思いました。朝ごはんを食べて、雨でぐっちゃぐちゃになったテントを撤収して下山開始です。

表銀座縦走の時には上高地に下山しましたが、今回は新穂高温泉に向かうことにしました。下山を祝福するかのように空が晴れてきました。

ひげヅラ。身も心もボロボロといったところです。新穂高温泉までの長い道のりをひたすら進みます。

長い挑戦が終わる

11:30 槍ヶ岳から歩くこと5時間。新穂高温泉に到着。大きなトラブルもなく無事に下山できました。達成感というよりも安堵感です。

奥飛騨の温泉郷「平湯」へ

さて、新穂高温泉からバスで温泉郷「平湯」に向かいました。

恒例の爆食いタイム。ほぼ4日ぶりの下界のメシです。事前にリサーチしておいたお食事処「あんき屋」で飛騨牛をいただきました。もう最高。ゆっくり味わいたいところでしたが一瞬でなくなりましたね。広々として、ゆっくり寛げるので、登山者にとってもありがたいお店です。

食事の後は「平湯の森」で温泉に入りました。メシもそうですが、ほんと何日ぶりのお風呂?って感じでした。生きてて良かった、、、って思いましたね。すごく気持ちよかったです。

平湯から新宿行きの高速バスが出ていますので、ゆっくり寝ながら帰りました。

まとめ

なぜ山に登るのか。よく聞かれる台詞ではありますが、その意味を見つけるために山に登るという考え方もあります。

むしろ、登ったあとに「本当の意味」が見つかることのほうが多いと、僕は感じています。入り口なんかなんでもいい、だからまずは登ってみることが大切だと思うのです。

そして、人それぞれ背負っているものがあります。今回は4日分の衣食住を運ぶ山行でしたが、僕にはそれ以上に「背負っているもの」がありましたので、最後まで踏ん張ることができました。

別に山に登らなくても生きていけるのに、なぜ山に登るのか。そこに今の時代を強く生きるヒントが隠されていると僕は思います。

広大な山に比べると人間なんか米粒にも満たない大きさだけれど、でもそんな大自然を歩き通せる人間の力は改めてすごいなと感じました。

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