【参加レポ】第2回奥武蔵ロングトレイルレース(35km)にワラーチで参加してきました。

第2回奥武蔵ロングトレイルレース35kmに参加してきました。埼玉県南西部の奥武蔵の山々を巡るレースで、地元住民の協力のもとに完成したレースです。2回目の開催とは思えないほどの手厚いサポートや安全対策、人々の温もりを感じられた大会でした。

このエリアはアニメ「ヤマノススメ」の舞台となっており、昨年観光に訪れた時にこのレースの存在を知りました。東京からもアクセスが良いので、今年試しに出てみようと計画していました。35kmと105kmの部があり、3年ぶりの大会出場ということもあり、35kmの部に出場しました。

コースマップ(35km)大会公式HPより

GPXデータ(地図情報)は事前に運営側からいただけるので、ランニングウォッチに入れておきました。

毎度お馴染みの自家製ワラーチ。今大会、参加人数こそ不明ですが(1000人前後?)、ワラーチの民に2人ほどお会いしました。

レースはウェーブ制。A・B・Cの3ブロックに分けられており、それぞれ10分間隔でスタートします。

最初のピーク「多峰主山(とうのすやま)標高271m」に到着。ヤマノススメでもお馴染みの山ですね。序盤なので上りは渋滞しますが、前半戦はペースを抑えたいので逆に助かりました。

黙々と上り続け、天覚山(標高445m)に到着。低山とは思えないほどのキツさでした。ヤマノススメであおいちゃんがベンチでぶっ倒れてるシーンがありますが、もうそんな感じでした。

その後も、激しいアップダウンを繰り返しながら大高山(標高493m)に到着。以前、練習で来た時は子の権現(ねのごんげん)へと向かいましたが、今回は第一エイドステーションのある吾野駅に向かいます。ヤマノススメでは、ここなちゃんが「この先にいいところがあるんですよ!(子の権現)」なんてニコニコしてましたが、どんな体力してるんだ、と思いましたね。

吾野駅の第一エイドステーションです。前半戦が終了といったところでしょうか。できるだけペースを抑えてきたつもりですが、繰り返されるアップダウンに脚がやられ気味。登山で脚が攣る経験なんて今までありませんでしたが、見事に攣ってしまいました。

今回もお馴染みのおにぎり作戦。ジェルでもいいのですが、即効性がある反面、すぐにエネルギーが枯渇してしまう気がするので、おにぎりをいくつか持ち運んでいます。腹持ちがいいので、継続的にエネルギーを供給してくれます。注意点としては、純粋に重いこと。あとは暑いので傷まないうちにレース前半に食べるようにしています。

エイドでは地元住民の方々が色んな食材を提供してくださいます。地元で育てた野菜でしょうか、このきゅうりがすごく美味しかったです。

いよいよ後半戦。さっそく待ち構えるこのレース最大の山場「顔振峠(こうぶりとうげ)」に差し掛かります。

外国のお兄さん二人組と走らせていただきました。この後、3人でコースロストしてしまいますが、笑い合って元のルートに引き返したのはいい思い出です。叫んで助けてくださった女性に感謝です。

顔振峠を登り終えたところのウォーターエイド。まだ約20km地点ですが完全に足が売り切れ。覚悟はしていましたが、想像以上にハードな上りでした。顔を振るどころか、完全に白目で登っていましたね。

ここでワラーチお父さんに遭遇。スタート前にも一緒に写真を撮らせていただき、ゴールした後も親切にしてくださいました。写真右はお父さんの自家製ワラーチ。濡れても滑らないように人工芝を噛ませてあるそうです。ワラーチって、人によって個性的な工夫が施されていて面白いですよね。来年またお会いしましょう!

愛宕山(標高250m)を通り過ぎると「ユガテ」が見えてきます。ユガテは山に囲まれた小さな集落です。ヤマノススメであおいちゃんが「ユガテってなんだろう?」と話していたのが印象的で、気になっていた場所です。

最後のエイドステーション「長念寺」に到着。ここまで来ればもう一息。このあんみつがすごく美味しかったです!

最後のピーク「釜戸山(標高294m)」に到着。竈門炭治郎に別れを告げてゴールに進みます。

ゴールの飯能中央公園までの最後のロード。3kmほどの道のりですが、10kmくらいに感じました。

7時間33分でゴール。あまりの疲労に半ば放心状態でのゴールでした。

今まで以上に練習を積んでの参戦だったにも関わらず、思い通りに体が動かず、あまりの悔しさに途中は半べそをかいて走っていました。幸いにも曇りで気温は低かったのですが、それでも足の痙攣や吐き気など、なんでそうなったのか原因がいまいち分からず、自分の想像が及ばなかったことが一番悔しいでしょうか。

標高で言えば200 ~ 500mほどしかないのに、過去最高クラスの疲労度です。過去に40kmや60kmの大会にも出場経験がありますが、今大会のほうが圧倒的にキツかった。「山は高さじゃない」とはよく言われるものですが想像をはるかに越えていました。まさに低山の洗礼を受けたと言えます。きちんと反省して、次に繋げたいと思います。

とはいえ、そんなキツさ以上に、人々の優しさに触れることができた大会でした。「ナイス、ワラーチ!」と声を掛けてくださった運営の方々、「すごいですね!ほんと尊敬します!」「もう少しで頂上ですね!頑張りましょう!」と応援してくださったまわりの選手たち。極限状態に追い込まれた時に力になるのが、なにより”人の言葉”です。

自分には「泣いたって距離は縮まらないんだぞ」「遠足に来たんじゃないんだぞ」「ツラいのは自分だけじゃない」などついスパルタになってしまいますが、人々の言葉は本当に温かい。山は体力以上に精神力が求められるスポーツであり、その精神力の支えとなるのが人々の言葉です。

あまりにキツかったので、レース直後は来年の出場はもう一度検討しようと思ってしまいましたが、こんなにもアットホームで優しさに溢れた大会なら、山を登るという行為以上に得られるものがあるので、また参加したいなと思いました。全体として見ればツラいのはほんの一瞬の出来事であり、レースが終われば「出場してよかった」と感じます。素晴らしい大会を開催してくださったことに感謝しています。落ち着いたらまた観光や練習に訪れたいと思います。本当に素晴らしいレースでした。

山はいつも自分がいかに「不完全であるか」を教えてくれる教師である。

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