Pilates

【ピラティス】現代人に必要なのは鍛えることではなくゆるめること。

 

年明けから狂ったようにピラティスに励んでいる。今日で連続25日目、ピラティスが日課となり、ピラティスをしないと眠れない日々が続いている。

寝ている時も、ごはんを食べている時も、自転車に乗っている時も常にピラティスのことを考えている。とにかく、ピラティスピラティスピラティスの日々を送っています。

なんでまた急に?という感じですが、理由があってはじめたというより「必然的にはじめた」という感じです。複数の選択肢がある中でその中からピラティスを選んだというよりも、自分の人生を真っ直ぐ生きていく中でそこにピラティスがあった、というイメージです。

詳しくは後ほど話しますが、まずデスクワークが中心の現代人の体は「ガチガチ」です。文字通りにガチガチ。筋肉は凝り固まり、動きは鈍い状態。その状態のままでは運動の効果は引き出せませんし、それどころか体を痛めるリスクのほうが圧倒的に大きいのです。

ボディメイクのために自宅やジムで筋トレに励む方が増えたのは良いことですが、筋トレはあくまで筋肉を「締める」「縮める」「固める」というベクトルの運動です。なので、体が凝り固まってる人が筋トレをしたところで、余計に固くなってしまうのです。

見た目はしなやかそうでも、実際にしなやかな体かどうかはまた別物です。たしかに筋トレは効率的に筋肉をつけるには良い運動です。ピンポイントで狙った部位に刺激が入るからです。ただ、筋トレの動きというのはあえて非効率な動きをすることがほとんどです。

簡単な例で言うと、よく「反動をつけるな」と言われますが、物を効率的に持ち上げるなら「反動をつけたほうがいい」からです。スクワットでは「膝を前に出すな」と言われますが、ラクに立ち上がるなら「膝を前に出したほうがいい」からです。筋肉の末端部をしっかり固定し、もう片方の末端部を動かす動きになります。言ってみるなら機械的な動きです。

だから、筋トレばかりしていると「動きが固くなる」と言われるのです(筋トレの種類にもよります)。日常生活では筋トレ的な動きよりも、体の協調性を活かした動きのほうが圧倒的に多いのです。筋トレをすることで特定の筋肉への意識は強まりますが「筋肉に効かせる意識」が優位になってしまい、全身の協調性が失われてしまうのです。

あとは「脱力」の大切さです。先ほどもお伝えしたように、現代人の体はガチガチに固まっています。その体を鍛えるということは、ただでさえ固まっている体をさらに固めるようなものです。

「筋肉をつけましょう」「筋トレをしましょう」とは言われるものですが、まずは「力を抜きましょう」「筋肉をゆるめてあげましょう」と僕は言いたい。そもそも、筋肉というのはゴムのようなもので、力が抜けていない状態では、きちんと縮むことができないのです。ゴムが縮んだままではその性能を最大限に発揮することができないのです。

これは、僕自身が体験していることなのではっきりお伝えすることができます。僕が「しなやかさ」「脱力」という意識を持ち始めるようになったのはランニングをはじめた頃からです。

学生時代からアームレスリング(腕相撲)を続けてきた影響で「体を固める意識」がなかなか抜けなかったのです。すると、いざランニングをはじめても「肩が上がる」「股関節が動かない」「全体的に動きがカククカクしている」という動きになってしまうのです。力を抜くどころか、力で走っているような動きになってしまうのです。もっと少ないエネルギーで効率よく走れるにも関わらず、どうしても「筋肉で走る」という意識が抜けなかった。これはランニングだけでなく、水泳や登山、ロードバイクでも同じことに悩まされていました。

筋力や体の柔軟性を高めることはそこまで難しくありませんが「身体意識」はそうはいきません。というのも「脳」によるものだから。一度、ついてしまった動きの癖というのは「脳の再学習」が必要なのでとても時間がかかります。他の人から「肩上がってるよ!」と言われれば気付きますが、自分で自分の体を客観的に見なければならないためなかなか苦労を伴う作業です。5年ほどかけてようやくゆるんできたように感じます。ただ、僕は「ゆるめるだけではダメ」という考えを持っています。ゆるめることはあくまで「前提条件」であり目的ではないから。

大切なのは体の中心に「核(コア)」を持つこと。その核を中心に上下左右に伸びた四肢が自由にそしてしなやかに動くことが大切だと考えているのです。身体意識については人それぞれ考え方が異なりますし、話が長くなるのでまた別の機会に話します。

コアをしっかり機能させたまま、四肢を自由に優雅にそしてしなやかに動かすような運動はないか。そう考えていたところで出逢ったのが『ピラティス』です。

ピラティスに関しての知識はほぼほぼゼロ。ただ、スポーツ系の専門学校に通っていた時に必修科目にあったので1年ほどの経験はあります。しっかり腹圧を入れた状態で四肢をコントロールしていく。その記憶だけはありました。内容は決してラクなものではないけれど、終わった後はスッキリしますし、姿勢がとにかく綺麗になるんですよね。「ピラティスは女性がやるもの」という認識が強いですが、現代人は全員必要なレベルにあるとすら考えています。

筋肉を鍛えるよりも「整えること」が先だからです。あくまで仮説段階ですが、ピラティスを通じて体を整えることにより、他のどの運動も成長が早くなると僕の中では考えています。

しなやかであることは万能ではない。だが有能であり、すべての「前提」である。

ABOUT ME
浅野 弘樹
東京都立川市の女性専門パーソナルトレーニングジム『ASANO』代表。米国サンタモニカにて修行を積んだ後、24歳の時、表参道に女性専門パーソナルトレーニングジムをオープン。半年以上予約のとれないトレーナーとなり、10,000人以上の女性のボディメイクに携わる。現在は立川市に移転し、ピラティスを中心とした指導をおこなう。【実績】アームレスリング世界選手権-57kg級3位、全日本ジュニア・全国高校選手権2年連続優勝【活動】登山、トレイルラン、トライアスロン【座右の銘】やってみなきゃわからないでしょう