【絶景の北アルプス】2泊3日、表銀座縦走路をソロテント泊で登ってきた話。

日本を代表する山脈の一つが北アルプス(飛騨山脈)です。

北アルプスには有名な縦走路がいくつかありますが、その一つが「表銀座縦走路」です。

今回は、表銀座縦走路をソロテント泊で挑戦してきた時の記事をまとめました。

目次

表銀座縦走路とは?

表銀座縦走路とは、北アルプスにある全長37.5kmの縦走路のこと。燕岳、大天井岳、槍ヶ岳などの3000m級の名峰を歩むことのできるコースです。非常に長いコースとなっているため、2泊3日で登るのが一般的です。

念願の北アルプスへ

北アルプスは、僕が登山をはじめてからずっと憧れていた場所です。

登山暦6ヶ月という未熟者ですが、基礎トレーニングや歩き方、岩登り、テント設営、読図、自炊などコツコツ努力を積み重ねてきました。

テント泊の経験は雲取山での一回のみ。縦走では初の挑戦となります。楽しみな一方で、不安な気持ちがあったのも正直なところです。

ルート

前夜発2泊3日の日程です。

【2017年7月29日 〜 7月30日】
新宿(夜行バス)→ 長野道安曇野バス停(タクシー) → 中房温泉 → 合戦小屋 → 燕山荘 → 燕岳 → 燕山荘 → 切通岩 → 大天荘 → 大天井岳 → 大天荘

【2017年7月31日】
大天荘 → 大天井ヒュッテ → ヒュッテ西岳 → 水俣乗越 → ヒュッテ大槍 → 槍ヶ岳山荘 → 槍ヶ岳 → 槍ヶ岳山荘

【2017年8月1日】
槍ヶ岳山荘 → 天狗原分岐 → 水俣乗越分岐 → 槍沢ロッジ → 一ノ俣谷出合 → 横尾 → 徳沢 → 明神 → 上高地(高速バス) → 新宿

新宿から夜行バスに乗る

登山口の中房温泉までは、バスとタクシーを乗り継いで向かいます。夜行バスは毎日アルペン号を利用しました。バスじゃ寝れないだろうと思っていましたが、座席がカーテンで仕切られていたので問題ありませんでした。

5:42 長野道安曇野バス停に到着。

中房温泉までの山道はマイカー規制となっているのでタクシーで向かいます。事前にタクシー会社に送迎をお願いしておきました。1時間ほどの道のり。

1人だと料金が高いのがネックですが、テント泊で宿泊代が安く済むのでここは我慢。運転手さんと会話を楽しみながら中房温泉に向かいます。

中房温泉からスタート

中房(なかぶさ)温泉に到着。ここが表銀座縦走路の出発点です。

7:26 準備を整えていざ出発。北アルプス三大急登の一つ「合戦尾根」を登り、燕岳を目指します。

北アルプス三大急登とは?
合戦尾根(燕岳)、ブナ立尾根(烏帽子岳)、早月尾根(剱岳)

7:54 第一ベンチに到着。歩きはじめてまだ30分も経たないというのに脚がパンパン。原因は間違いなくザックの重さ。欲張ってフルサイズの一眼レフと三脚を持ってきたことを後悔しました。

8:19 第二ベンチに到着。ここまで1時間ほど。真夏ですが標高が高いので涼しく感じます。

8:47 第三ベンチに到着。ようやく半分まできました。

9:21 富士見ベンチに到着。

9:52 合戦小屋に到着。登りはじめて2時間半ほどです。

こちらで名物のスイカをいただきました。まだまだ先は長いけど、疲れた体に染み渡る!

燕岳に到着

11:16 燕山荘に到着。登りはじめて4時間ほどです。ここから燕岳までは往復1時間ほど。次の大天井岳までのルートから外れるので燕岳には登らない選択肢もありますが、せっかくなので登ってきました。

小屋にザックをデポさせていただいたので羽が生えたように体が軽い。

燕岳は白い花崗岩と緑のハイマツが特徴的な山。ピンクのコマクサが綺麗に咲いていました。

11:45 燕岳(つばくろだけ)に到着。北アルプスの大パノラマが広がる予定がガスガス。天気が良いと槍ヶ岳も見えますが、今回は残念。

燕山荘に戻り、大天井岳に向かいます。

燕山荘に宿泊する方が多いのか、大天井岳までの道ではあまり人と会わず。

ガレ場が見えたら大天井岳まではもうすぐ。不安定な足場にとどめを刺されます。

大天井岳に到着

15:24 大天荘に到着。今夜はこちらでテント泊をさせていただきます。

大天井岳(おてんしょうだけ)に到着。小屋から10分ほどです。少し待機していると雲の隙間から北アルプスの絶景が。

「これが3000mクラスの景色か…」と息を呑むほどの大絶景。なんせこの日はずっとガスっていたものですからそのスケールの大きさが掴めなかったんですね。

なんというか、この景色を見て少し怖い感情を抱いたのも正直なところです。あまりのスケールの大きさに、自然に対する畏怖の念というか、ここは人間が立ち入っても良い場所なのだろうかとか、色々な感情に襲われました。

こんなにもリアルに雲の動きを見たのは生まれてはじめてでした。明日はいよいよ槍ヶ岳に向かいます。

槍ヶ岳に向けて出発

3:00 起床。寒い中朝ごはんを食べます。明るくなってきたのでテントを開けてみると、、、

壮大な景色が目の前に広がっていました。急いでカメラを手にしてテントの外へ。生まれてはじめて見る北アルプスの絶景にただただ感動。

6:00 槍ヶ岳に向けて出発。奥に見える尖った山が槍ヶ岳です。本当に1日であんな遠くまで行けるのか?と思いました。

6:55 大天井ヒュッテに到着。

7:27 ビックリ平を通過。

喜作新道を通り、東鎌尾根に向かいます。

槍ヶ岳が綺麗に見えてきました。ここまで3時間ほど。結構歩いてきましたがまだまだ遠くに見えます。

9:20 ヒュッテ西岳に到着。こちらでコーラを飲みながら少し休憩。

最大の難所「東鎌尾根」へ

ヒュッテ西岳を越えると待ち構えているのが東鎌尾根。表銀座縦走路の最大の難所です。

東鎌尾根は梯子や鎖場が連続するルートです。しかも下り基調。滑らないよう、また落石に注意しながら進みます。

10:25 水俣乗越に到着。乗越(のっこし)とは、峰と峰の間の低くなった部分のこと。ということはこの先は上り基調になります。

ちなみに水俣乗越は、槍ヶ岳に向かう有名なバリエーションルート「北鎌尾根」の入り口でもあります。

水俣乗越を越えると「窓」と呼ばれる三段梯子が現れます。ここが最大の難所です。登山シーズンは渋滞発生ポイントとなりますが、先行者が完全に降り切ってから進むと安全です。

槍ヶ岳まで延びる東鎌尾根をひたすら登り続けます。景色は綺麗。けどザックの重さに標高の高さが加わって結構苦しい。

12:13 ヒュッテ大槍に到着。槍ヶ岳までもう一息!

槍ヶ岳山荘に到着

13:00 槍ヶ岳山荘に到着しました。テントを設営してゆっくりしたいところですが、この日のうちに槍ヶ岳への登頂を目指します。

山頂までは往復1時間ほど。アタックザックとヘルメットを装備していざ出発。

徐々に高度を上げながら慎重に登っていきます。

写真で見ると「本当にこんなところ登れるのか?」と思いますが、足場はしっかりしています。鎖や杭、梯子が設置されていますので、三点確保(両手両足のいずれか3点は必ず岩に触れておくこと)のルールを守りながら慎重に登っていきます。

槍ヶ岳からの大パノラマ

14:45 槍ヶ岳山頂に到着。感無量です!!

360度の大パノラマ。今日歩いてきた東鎌尾根もよく見えます。

無事にテント場まで戻ってきました。とりあえずは目標達成です。明日はいよいよ下山日です。

上高地に向かう

3時に起床。いよいよ下山日です。やっと家に帰れる。朝ごはんを食べて、テントを撤収して、上高地に向かいます。

槍沢ルートには雪渓が。踏み跡があるのでアイゼン無しでも問題ありませんでした。そして「浅野さんですか?」と声をかけられるハプニング。なんとインスタのフォロワー様でした。この3日間、誰ともロクに話してませんから尚更嬉しかったです。ありがとうございました。

梓川に沿ってフラットな道を進みます。ここが一番長く感じる。

9:16 槍澤ロッジに到着。

10:40 横尾に到着。雨が降ってきたのでレインカバーを装着、、、したら、すぐにやみました。登山あるあるですね。お腹が空いたので売店でカップラーメンをいただきました。

11:40 徳沢ロッジに到着。

12:21 明神に到着。上高地までもう一息!

12:57 上高地に到着。にしもて長かった、、、上高地アルペンホテルで温泉に入らせていただきました。3日ぶりのお風呂!すんごく気持ちよかったです。

爆食いタイム。信州そば x 上高地コロッケ。なんせずっとテント泊でしたからインスタント食品三昧でした。久しぶりの下界のメシです。めちゃくちゃ美味しい。

安曇野産すずあかねを使った苺のかき氷。いやぁ、もう生きててよかったって思いましたね。本当に食事のありがたみです。上高地からは高速バスで新宿に帰りました。

旅の終わり

長い長い3日間が終わりました。人生初のテント泊縦走を北アルプスという広大なエリアで経験できたことは、自分の中では大きな成長となりました。

応援のメッセージをくださった方々に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。また次のステージに向けて頑張ります。

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