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はらぺこあおむしの著者エリック・カールから学ぶ「自由な発想」の大切さ。

朝起きたら、NHKで「未来への教室 エリック・カール  <頭のネジを巻いて絵本作り>」という番組がやっていた。

エリック・カール氏は、絵本「はらぺこあおむし」の作者(残念ながら今年亡くなられました)。はらぺこあおむしは知っていましたが、著者がどんな人物なのかまでは知りませんでした。ちょうど先日、甥っ子の誕生日祝いに姉の家に行った時に絵本が置いてあったのを思い出しました。

はじめは仕事(デスクワーク)しつつちょっとだけ見てみるか、くらいの気持ちでいたんだけれど、仕事どころじゃない。

子供との接し方だったり、彼らの才能の引き出し方だったり、ものすごい勉強になることばかりなんですよね。まず、絶対に否定しないこと。子供たちがなにを描こうが「いいんだよ」「素晴らしいじゃないか」と声を掛ける。そして「もっと自由に描いてごらん」というように教えるんですよね。

あぁ、これだ。「こういう先生に教えてもらうと、きっとその子の価値観や将来の在り方はきっと変わるんだろうな」って思いましたね。

課題の発表を直前に控えつつも、まだ絵が完成していない生徒の一人が「頭の中がもやもやしてなにを描いたらいいかわからないんだ」と言っても、「だったらその頭の中のもやもやを描けばいいんじゃないかい」と優しく声を掛ける。エリック氏本人の苦悩があったからこその言葉なんでしょうね。

「それはダメ」とか「そうじゃない」とかよくあるじゃないですか。でもそういう縛りだったりルールって、想像力やポテンシャルを著しく損なわせると思うんですよね。子供なんて尚更そうです。「こうじゃないとダメ」なんて指導の元で育ってしまうと、自分で考える力は育まれないし、楽しくなくなってしまうし、なにか新しいことに挑戦するにも恐れてしまうと思うんですよね。

それが顕著に現れているのが「運動」じゃないですか(一応、僕の本業です)。運動って言うと「運動しなきゃヤバいな」とか「走るのイヤだな」とか「体力ないしな」とか、ほとんどの人がネガティブなイメージを持っている。

でもね、おかしいんですよ。もしかしたら記憶にないかもしれないけれど、だいぶ遡ってみると、3歳とか4歳の頃ってメッチャクチャ運動してたはずなんですね。公園行くのが楽しくてしょうがないし、フードコートなんか運動会みたいになってるじゃないですか。

じゃ、いつから「運動とかめんどくせぇ」って思うようになったかって言うと、たぶん体育の授業あたりからだと僕は思ってます。体育の授業を全否定しているわけではないけれど、体育の授業が運動嫌いを助長させているのは大きな原因の一つだと考えています。

運動神経の良い子にとっては体育の授業が1番の楽しみかもしれませんが(僕のことです)、そうじゃない子にとっては退屈そのもので、苦痛でしかないわけですよね。しかも、パーソナルトレーニングのように一人一人の生徒に時間をかけて指導することは難しいため、運動が苦手な子は運動が苦手なままとなってしまう。“鈍臭い”というレッテルを貼られて終わりなんですよね。

そうすると何が起こるか。「自分は運動が苦手」と思い込んでしまうようになるわけです。そういう子が大人になって積極的に運動をすることは恐らくないでしょう。実際、パーソナルトレーニングを受けに来られる方はそういう方がほとんどですから。運動にポジティブなイメージを持っている方ってほとんどいません。たぶん、そういう方はもうとっくに自発的に運動してるんですよね。

でも、よく考えたら運動の種類なんて腐るほどあるわけじゃないですか。学校の授業で教わる運動って、球技とか水泳とか走り幅跳びとか持久走とか、そういった類のものが多いわけですよね。運動なんてまだまだ他にもあるわけじゃないですか。

それなのに、そんな狭い枠組みの中で評価を下されて「自分は運動ができない」と思い込むなんて、そんな馬鹿げた話ないなって思うわけです。むしろ、僕が親なら、それなら体育の授業出なくていいよって思うんですね。体育の成績なんかよりも、その子が運動嫌いのまま育っていくことのほうがよほど深刻ですから。その代わりに、もっと綺麗な景色を見せてあげたりとか、自転車でウマいものを食べに行かせたりとか、本当に大切なことを学んでほしいって思います。

僕は運動神経が良いほうだったのであまり説得力がないかもしれませんが、それでも全部の種目が得意だったわけではありません。サッカーやればドリブルなんかできないし、バレーボールやれば腕痛くてやめたくなるし、バスケは突き指するし、持久走なんか歩いたり周回ごまかそうとしてたりしましたから。誰だって得手不得手ってあるんですよね。

けど今は、筋トレしたり、登山を楽しんだり、ロードバイクで出かけたり、たまにトライアスロンやトレイルランニングのレースに出たり、色んな形で運動をするようにしています。それも、体力があるとか、運動神経があるとか、そういうことじゃないくて「自分を高めたい」とか「もっと色んな世界を見てみたい」とかそういう気持ちのほうが大きいからです。

僕は、運動が苦手な人なんて絶対いないと思っていますね。いるとしたら、それ単なる思い込みか幻想です。

だから「自分は運動が苦手」なんてことは全部忘れてしまって、いや、むしろ無かったことにして、今日からなんかやってみたらいいんじゃないですかね。つまらなかったり、ハマらなかったら他のやればいいわけですし、とにかく色んな種類の運動がありますから、自分にしっくりくるのやればいいんじゃないですかね。

あと僕は、運動が苦手ってお客様には、必ずこう言うようにしてるんです。

「〇〇さん、運動できるから大丈夫ですよ。」

これすごいんですよ。本当に運動できるようになるんですよ。言霊って言葉があるけれど、本当に言葉ってパワーを持ってるんだなって感じますね。もちろん、さっきも言ったように、僕は運動が苦手な人なんて絶対いないと思っているので、確信を持って指導に当たっているわけですけど、運動に苦手意識を持っている人でも、ちゃんと運動できるようになるんですよね。むしろ、そういう人のほうがどんどん伸びていく。できないことができるようになるのって楽しいんですよね。

ちょうどここ数年、僕もモヤモヤしていたことがあったけれど、エリック氏の言葉で解決しました。たまたま朝テレビをつけただけなのに、素晴らしい番組に出会えたことに感謝します。

『絵の具がキャンバスからはみ出ることを恐れないこと。これはもっと大きな意味です。私たちはもっと自由に生きても良いということです』(エリック・カール)

ABOUT ME
浅野 弘樹
東京の片隅で静かに暮らすトレーナー。専門領域は『男ウケするカラダづくり』だけれど好奇心旺盛が故になにが仕事でなにが趣味だかよく分からなくなってしまったので毎日自由に生きています。トレイルランニング、フライフィッシング、ロードバイクが生活の中心。見栄と映えと”群れ”が大の苦手。一言で言えば”超偏屈者"。 女性専門パーソナルジム「BEAUTY & STRENGTH」代表、アームレスリング元日本代表・世界ジュニア選手権3位