青空が広がる秋晴れが続いているので、久々にロングライドに行ってきた。
向かった先は、東京西部の奥多摩。山梨県との県境にあるエリアだ。
過去に2回ほど走ったことがある。私の住んでいるエリアからは往復で約110kmくらい。1日に走った過去の最高距離が180kmなので、個人的には短すぎず長すぎずちょうど良いくらいだ。だが、奥多摩は山岳地帯なのでヒルクライムの要素も混じってくる。
最初に訪れた時は登り切ることができずに自転車を押して登るという洗礼を受けた。2回目の挑戦で脚を付かずに登り切ることができた。もう4年くらい前のことだったと思う。
今回は4年ぶりの挑戦となるが、少し自信があった。というのも、この4年の間に登山やランニング、トレイルランニングといった「心肺機能や脚力が求められるスポーツを始めたから」だ。
それまでは、筋肥大のためのウエイトトレーニングやアームレスリングに傾倒していたこともあり、心肺機能とも持久的な脚力とも無縁であった。上半身に筋肉が集中するため、当然ヒルクライムでは不利になる。
今では上半身よりも下半身のほうが相対的な筋量が優っているし、なにより当時よりも体重が10kgほど軽い。無論、これは余分な体脂肪を削ったわけではなく、上半身の筋肉を意図的に落としたためだ。
ルート
ルートは写真の通り。私の住んでいる立川市から西に向かい、拝島から青梅方面に反時計回りに進み、奥多摩湖をぐるりと周回するルートだ。
JR古里駅から徐々に登り基調になり、本格的なヒルクライムは奥多摩湖を過ぎた奥多摩周遊道路に入ってからになる。10kmほどの登りが続き、風張峠を過ぎれば、あとはJR武蔵五日市駅まではひたすらダウンヒルが続く。
装備・持ち物
【左上から時計回りに】
・ウインドブレーカー:Skin Windbreaker(Santini)
・トップス:YSラッキー 長袖ジャージ 千鳥クロス(KAPELMUUR)
・ヘルメット:MOJITO マットブラック(KASK)
・シューズ:SHOT(SIDI)
・グローブ:アーリーウィンターグローブ(SHIMANO)
・ソックス:ウインターソックス(Bicycle Line)
・パンツ:ウインタータイツ 3D NEO(PEARL IZUMI)
・インナー:Active Extreme2.0(CRAFT)
秋 ~ 初冬向けの装備で揃えた。この時期の奥多摩は日中で10 ~ 15度くらい。屋外で休憩をすると少し寒く感じるが、走っていれば問題はない。もちろん寒さの感じ方には個人差があるし、エリアやコース、休憩のスタイルは人それぞれ異なるので、自分に合った装備を見つけることが望ましい。
私の場合は、体温の上昇が早く、運動中は冬でも暑く感じる。汗もかきやすい。だが、安静時は人一倍の寒がりである。なので、厚着は避け、ウインドブレーカーで調節した。休憩も時間を短くするか、室内で休むようにした。
いざ出発
朝の9:00に自宅を出発。
ひどい絵面だ。大会やイベントの前日は興奮していつもろくに眠れない。自宅を出発して1時間ほどで福生のセブンに寄り、好物のモンエナを給油する。
市街地を抜けるといよいよ奥多摩の景色が広がってくる。紅葉には少し早かったが、それでも美しい景色に心を癒された。
古里駅前のセブン
11:30。古里駅前のセブンに寄る。いつも寄る場所であり、ここが奥多摩に向かうまでの最後のセブンになるので、多くのローディーやドライブ客が集まる。
それにしてもモンエナを飲んだとは思えないほどの絵面だ。日常的に飲んでいるからカフェイン効果がまるで得られていないんだと思う。
重要なエネルギー源となる炭水化物をあんぱんで補充。ここから徐々に登り基調になるし、この先には本格ヒルクライムが待ち構えていることからも、逆算してここで十分なエネルギーを摂っておくことが賢明だと感じた。
東京最西端のコンビニ
20分ほど走ると、JR奥多摩駅のそばにつく。ここのデイリーヤマザキ、なんと東京都で最も西に位置するコンビニなのである。ここから先は下山するまでコンビニがない。
小河内ダムに到着
奥多摩駅前から走ること30分、小河内ダムに到着。ここまででだいたい50kmくらいだ。
広大な駐車スペースや売店、自販機、トイレがあるから多くの人がここで休憩をする。
この先を進むと山梨方面に行く道と、奥多摩周遊道路に行く道に分岐する。ヒルクライムに自信のない人や初めて奥多摩を訪れる人は、ここでUターンするのもありかもしれない。それでも晴れている日はとても気持ちよく、奥多摩の自然を充分堪能できる。
小河内ダムを進むと、奥多摩湖の景色が目の前に広がる。ただ、この日の奥多摩湖、写真でもわかるように濁っている。
これには正直驚きを隠せなかった。先日の大型台風の影響だと思うが、本来の青く美しい奥多摩湖の姿に1日でも早く戻ることを願うばかりだ。
本格ヒルクライム開始
13:00 奥多摩周遊道路に到着。54km走ってきたが、ここまではウォーミングアップ。いよいよ本格ヒルクライムが始まる。
すでに眠気は飛び、脚の調子も良い。ここで脚が出来上がってしまっていると、まず登ることはできない。登山と同様に、登る前に一礼をしていざ出発。
いや、普通にキツいという(笑)
なにかの冗談かと思いきや普通にキツい。もう一枚ギア軽くしようと思いきや、もう使い切ってしまっている。大きな声では言えませんが「乙女スプロケット」と呼ばれる、超貧脚向けのスプロケットを搭載しています。どんだけ脚力ないのよ。
もう脚がぶるっぶる(笑) ※タイトルにある大腿四頭筋とは「前ももの筋肉」のことです。
奥多摩周遊道路は、写真のように1kmごとに標識が設けられている。
以前来た時にあったかどうかは定かではないないが、これが本当に助かる。「まだか、まだか」と永遠に続くんじゃないかというくらい苦しいが、目安があることで精神的な負担がかなり減る。山頂まで約10kmなので、1kmごとに希望の光が差し込むのだ。
月夜見駐車場に到着
登ること45分、月夜見第一駐車場に到着。本当に死ぬかと思いましたよ。
ピークはもう少し先の風張峠だが、ここは奥多摩湖や周辺の山々を綺麗に見渡せるスポットなので、私の中ではここがピークとなっている。
駐車場を後にして進むこと20分、風張峠に到着。標高1146m。一般道では東京で一番高い場所だ。
都民の森に到着
14:32 都民の森に到着。
奥多摩三山の一座である三頭山の中腹にある山岳公園で、観光客の休憩場所となっている。
ちなみに僕は奥多摩三山(大岳山・御前山・三頭山)のうち、三頭山のみまだ登ったことがない。この都民の森が登山口となっているので、いつか自転車と登山を組み合わせた挑戦もしてみたいとも思っていたりいなかったり。
ここで少し遅めの昼食をいただいた。名物のカレーパンと悩んだが、まだ道のりは長いので山菜そばをチョイス。冷えた身体に暖かい汁が染み渡る。最後の一滴までいただいた。
本格ダウンヒル開始
ここまで70km走ってきたが、残りはほとんどがダウンヒルと平坦な道だ。下りはかなり冷えるので、ウインドブレーカーをしっかり着込んだ。
登山と同じで、事故は下山で起きやすい。気の緩みが大きな原因だが、ロードバイクは特にスピードが出るので一発やってしまった時のダメージが大きい。最悪死ぬ。ダウンヒルは爽快だからついスピードを出したくなってしまうんだけれど、そんな気持ちを抑え、慎重に下山した。
SantiniのSkin Windbreakerが優秀で、まったく寒さを感じることがなかった。身体にフィットするモデルなのでバタつくこともなくとても快適だった。
無事に帰宅
17:00 無事自宅に帰宅。休憩時間を除いて6時間41分、走行距離は118.5kmだった。
トータル消費カロリーが約2,517kcal。どこまで正確か分からないが、今後また挑戦した時のための貴重なデータとなった。
まとめ
久々のヒルクライムだったが、非常に収穫のある一日であった。登山もランニングも始めたので少しは脚力も上がっているかと思いきや、以前と同じようにキツかった。いや、確かに登山もランニングもパフォーマンスは上がってはいるし、より高いレベルのことに挑戦できているのも事実である。しかし、ロードバイクにはロードバイクのキツさがあるということを学んだ。
トレーニングの世界には「特異性の原理」という言葉がある。簡単に説明すると、これはその種目に特化したトレーニングをおこなわなければならないというものである。登山なら登山、ランならラン、バイクならバイクということだ。他の種目は補助にはなるが、目的とする種目のパフォーマンスを向上させたいのであれば、やはりその種目に特化したトレーニングをおこなう必要がある。
なにが言いたいかというと、舐めて挑んではいけないという自分への戒めとなった旅だったということだ。