最強のスナップシューター『RICOH GR Ⅲ』を持って登山してきた話。

なにか新しいガジェットを買わないと登山のモチベーションが上がらないという、山が好きなのかガジェットが好きなのか分からない今日この頃です。

さて、買ってしまいました。

RICOH GR3です。一眼レフは重い、けどスマホだと物足りない。登山用にコンパクトなカメラが欲しいと思っていたところ出会ったのがRICOHのGR3です。早く試したいと思い、さっそく登ってきました。南アルプスの北岳。日本第二位の高峰です。

目次

最強のスナップシューター『GR』とは?

GRは、RICOHが発売している高級コンパクトデジタルカメラです。コンパクトでありながらも一眼レフに劣らない性能を持つことから、プロのカメラマンも愛用しています。また、電源を押してからの起動が早いことや、ポケットやバッグなどからサッと取り出すことができるため「最強のスナップシューター」とも呼ばれています。

本体、バッテリー、充電器などすべてコンパクト

2015年にGR2(前モデル)が発売。そして、今春ついにGR3が発売されました。僕が今まで使っていたのはGR(2013年発売)なので、6年ぶりの買い替えとなります。基本的な概念は変わりませんが、色々と進化している部分がありましたので簡単にまとめました。

GR3の特徴と登山での活用シーン

一眼レフに劣らない最高の画質

GR3はコンデジですが、ミドルクラスの一眼レフに搭載されているAPS-Cセンサーを搭載しています。高画質で撮影できるのはもちろん、背景を綺麗にボカした「一眼レフで撮ったような写真」を撮ることができます。もちろんRAW撮影にも対応しているので、Lightroomなどで現像・編集も可能です。また、暗い場所での撮影にも強いのが特徴です。早朝や夕暮れ時も高画質で撮影することができます。

大切なシーンを逃さない圧倒的な速写力

電源ボタンを押してからの立ち上がりがとても早いのがGR3の特徴です。これが「最強のスナップシューター」と呼ばれている所以です。時間にしてわずか0.8秒。一般的なコンデジは1秒以上はかかります。「大して変わらない」と思いがちですが、実際に使ってみるとその早さに驚きます。電源のON・OFFがとても早いのでストレスを感じません。

タッチパネルでラクラク操作!

GR3はタッチパネルに対応していますので、スマホのように操作できます。僕の中ではこれが一番のポイントでした。従来の機種はタッチパネルに対応していないので、フォーカスポイントをボタンで移動する必要がありました。

しかし、GR3は画面にタッチするだけで任意の場所にフォーカスポイントを置くことができます。一瞬でピントが合うので、GRの速写性がさらに向上しました。

今回の登山では、絶滅危惧種のニホンライチョウに遭遇しました。動物は動き回るし、いつ逃げ出してしまうかも分かりません。そんな時にカメラの立ち上がりが遅かったり、フォーカスポイントをボタン操作で合わせていては、大切なシャッターチャンスを逃してしまいます。GR3だとそうした問題も起きにくいのが嬉しいですね。

マクロ撮影にも対応

GR3は、F2.8の単焦点レンズを搭載しているので、背景をボカした写真を撮ることができます。試しにコーラを撮ってみました。最短撮影距離が10cmなので被写体にギリギリまで近づくことができます。カフェやレストランで料理を撮りたい時も余計なものが映り込まなくて済みます。

さらにマクロモードも搭載していますので、最短焦点距離を6cmまで縮めることができます。今回の登山では、高山植物を撮影するのに活躍しました。花のディテールまで綺麗に撮影できました。

超軽量 & コンパクト

GR3はとにかくコンパクト。手のひらサイズなので、旅行はもちろん、ちょっとお出かけするときにもポケットやカバンに入れておいても荷物になりません。また、登山やトレイルランニング、ロードバイクを乗る方にもオススメです。僕の場合、登山やトレイルランニングならザックの胸ポケットに、ロードバイクならウェアのポケットに入れています。

カメラは取り出しやすい場所に収納しておくのがベスト、というのが僕の考えです。これは目的にもよりますが、いくら良いカメラを持っていても「撮らなければ写真は残らないから」です。バッグの奥の方にしまい込んでしまうと、撮影のたびに取り出すのはとても面倒になってきます。

登山はこれによく当てはまります。撮影のたびにザックを下ろして、カメラを出し入れして、また背負わなければなりません。意外と体力を使いますので、徐々に写真を撮るのが面倒になり、自然と撮影枚数も減ってしまいます。首から下げていれば問題ありませんが、山によっては急峻な場所を通過することもありますので、カメラを岩にぶつけないか心配になることもあります。GRであればポケットに収納できるので、そうした心配が要らなくなります。

左:GR 右:GR3

僕が以前使っていたGR(左)と比較してみました。GR3のほうが横幅1cmほど小さいのがわかります。コンデジでこの差はとても大きいですね。バッグに入れる場合はさほど問題になりませんが、ポケットに入れて持ち歩く場合はこの差は大きいなと感じました。

ボタン一つでWi-Fi接続。スマホへの写真転送が簡単!

撮影した写真をすぐに友人に送ったり、SNSに投稿したい場合があります。GR3にはWi-Fi機能が搭載されていますので、スマホに専用のアプリを入れておけば、すぐにスマホに転送することができます。カメラの横にあるWi-Fiボタンを押すだけで接続できます。

コンパクトな三脚に乗るから便利

朝焼けや夕暮れの写真を撮りたい場合、三脚を使ったほうがブレずに撮ることができます。ISO感度を上げることでシャッター速度を稼ぐこともできますが、さすがのGR3でも画質は犠牲になります。

そこで三脚が必要になりますが、GR3は軽いので、ミニ三脚のような小さい三脚でも問題なく撮影できます。ただ、一番レフだとそれなりに丈夫で大きな三脚が求められますのでそうはいきません。

上の写真は、朝4:30に撮影した富士山です。手持ち撮影で試みましたが、さすがに厳しかったので三脚を使いました。完璧とは言えませんが、十分満足できる絵が撮れたと思います。ちなみに僕が使ってるのは「ゴリラポッド」という三脚です。

クネクネ曲がるのでどこにでも設置できる

胸ポケットに入れておけば「いま撮りたい!」という時に、すぐにセッティングできます。脚の部分がクネクネ曲がるので、場所を選ばずどこにでも設置できます。そこそこの風が吹いていても、岩などに挟むように固定しておけば問題ありません。

僕は、自撮りの時はほぼこのシステムで完結しています。納得するまで撮影できますし、撮ってくれるいなかったり「すみません、写真お願いしてもいいですか?」と言いづらい時にも便利です。

購入する前の注意点

GR3の購入を考えている方は、以下の点には気をつけましょう。

ズーム機能はない

GRシリーズ全般に言えることですが、ズーム機能はありません。これは、単焦点レンズを採用しているためです。

「え、遠くの物を撮りたい時はどうするの?」となります。これについてはあまり問題にはなりません。多少手間はかかりますが、GR3は高画質で撮影できるため、パソコンやスマホでトリミングしても画質はほぼ劣化しません。

ニホンライチョウに遭遇した時も少し離れた場所から撮る必要がありました。あまり近づくと逃げてしまいますし、脅かすことにもなります。なのでこのくらいの距離で撮影するのが限界でした。

先ほどの写真をトリミングしたのがこちら。ほとんど劣化していないのがわかるかと思います。ボケ味も適度に残っており、割と自然な仕上がりです。ズーム機能が絶対に欲しい!という方は別として、画質についてはあまり問題にはなりません。

バッテリーの持ちがやや不安

今回は、1泊2日のテント泊でした。バッテリーは2本でギリギリ足りるくらい。撮影枚数は390枚。1泊目の就寝時には2本目のバッテリーが切れかかっている状態でした。もちろん、これは気温や環境によっても大きく変わります。北岳は標高3000m以上あるので、気温は地上よりも18度ほど低くなります。夜や雨が降った場合は、さらに低くなるでしょう。

バッテリーの性能が低いのではなく、そうした環境の影響を大きく受けたのかもしれません。検証していないのでなんとも言えませんが、少なくとも地上ではさらに持ちは良いはずです。バッテリーは小さくて軽いので、長い山行に出かける際は、予備をいくつか持っていくことをオススメします。

GRとの出会いは、とあるブログ。

僕がGRの存在を知ったきっかけは、サーフライダーさんの[渋谷&恵比寿]ランチ・ジャーナルというブログです。

その頃、一眼レフはすでに持っていましたが、カメラの知識はほとんどありませんでした。ブログに掲載されている料理の写真がとても綺麗で「なんのカメラで撮ってるんだろう」と気になり調べてみたところ、GRを使っているとのことでした。残念ながら現在は更新されていないようですが、僕にとってはカメラの原点のようなブログです。

まとめ

まだまだ紹介しきれないほどの魅力が詰まったのがGR3です。カフェで写真を撮りたいけど、スマホだと物足りない。けれど一眼レフだと大きくて恥ずかしいという方。お出かけ用にコンパクトなカメラが欲しいという方。登山やロードバイクを楽しみつつ綺麗な写真を残したい方など、様々なニーズに応えてくれる一台だと思います。撮るたびにワクワクするのがGR3の魅力だと感じています。

目次