身体はいつまでも若く保つことができる。
靴もそうだと思います。
身につける物の中ではもっとも汚れやすい。靴はわたしたちの体重のすべてを受け止め、足元から日々の生活を身体を支えてくれている。それでいて、汚れたままにされ、古くなれば新しいものに買い換えられる。
感謝すべき存在に感謝することを忘れてしまうのは人間の性でしょうか。
しかし、きちんと手入れをすればいつまでも綺麗な状態で履き続けることができる。大切にすればするほど愛着も湧いてくる。わたしは靴は人生のパートナーだと思います。
わたしが靴の手入れをはじめたきっかけは、NHKで放送されいてた『男が靴を磨く時』を見たことです。東京の有楽町の路上で靴磨きをしている職人たちを取り上げた番組です。靴を磨く前と磨いた後の違いに大きな衝撃を受けました。靴が生き返る瞬間を見てしまったのです。
わたしもはじめはプロに手入れをしていただきたいと思っていました。
しかし、靴は長く付き合っていくパートナーだからこそ、自分で手入れをしていきたいという気持ちもありました。なので、プロにお願いするのは行き詰まった時であり、まずは自分で学び、自分で試すことしました。失敗も含めて色々と経験してみたかったからです。
これから一生お世話になる道具ですので、未熟ながらも道具だけはプロの方が使っているものを揃えています。典型的な形から入るタイプです。
磨き方の参考にさせていただいたのがBrift H(ブリフトアッシュ)さんの動画です。オーナーの長谷川さんは靴磨きの世界大会で優勝された方です。青山にお店があるそうなので、いつか機会があれば磨いていただきたいと思っています。
わたしが使っている道具です。
(フランスの高級革靴クリームSAPHIR NOIR。左からスペシャルナッパデリケートクリーム、クレム1925ダークブラウン、クレム1925ブラック。靴の色に合わせて使います)
(豚毛ブラシ。クリームを靴に塗り込む段階で使うもの)
(馬毛ブラシ。はじめに汚れを落とす段階で使うもの)
(クリーナー。馬毛ブラシで汚れを落とし終わった後に使うもの)
(防水スプレー。仕上げの段階で使うもの)
以上の道具を使って、いつも履いている革のブーツを磨いてみました。
(BEFORE)
(AFTER)
(BEFORE)
(AFTER)
我ながら綺麗に磨くことができました。つま先とかかと部分の傷は目立たなくなり、全体的に色あせていましたが落ち着いた色に戻りました。革に柔らかさも出て歩きやすくなりました。
靴もそうですが一番変わったのは心の部分です。いつも履いているはずの靴なのに気が引き締まり元気がでる。外出することも楽しくなる。まるでトレーニングと同じです。同じ道を歩いているはずなのに、身体が変わり、自信がつくことで、そこはまるで別世界になります。
靴に栄養を与えるということは、心に栄養を与えるということなのかもしれません。