出雲の旅・最終日|美保神社、須佐神社、日御碕神社を巡る神話の旅

出雲の旅、最終日。

東京へ戻る列車は19時発の「サンライズ出雲」。

それまでの時間をできるだけ使って、まだ訪れていなかった神社を巡ることにしました。

この日に向かったのは、美保神社、須佐神社、日御碕神社

最後まで、出雲の神話をたどるような一日になりました。

目次

美保神社へ

まず向かったのは、島根半島の東端にある美保関。

すぐ反対側には、鳥取県の境港があります。

出雲大社からは少し距離があるので、行こうかどうか最後まで迷っていました。

でも、実際に訪れてみると、来てよかったと思える場所でした。

美保関にあるのが、事代主神ことしろぬしのかみを祀る美保神社です。

事代主神は古事記にも登場する神様で、大国主神の子として知られています。

国譲りの場面では、武甕槌神たけみかづちのかみが大国主神のもとを訪れ、国を譲るよう迫ります。

大国主神は、

「自分一人では決められないので、息子に聞いてほしい」

と答えます。

そこで交渉にあたったのが、事代主神でした。

事代主神は国譲りを承諾すると、その後、青柴垣に身を隠したと伝えられています。

この神話にちなんで、現在も毎年4月には青柴垣神事あおふしがきしんじが行われています。

我が家の神棚

そして美保神社は、えびす様の総本宮としても知られています。

事代主神は、えびす様としても信仰されており、古くから商売繁盛や豊漁などを願う人々の信仰を集めてきました。

ここで、ふと思い出したのが、先日訪れた長野県の諏訪大社。

諏訪大社に祀られている建御名方神たけみなかたのかみは、大国主神の子。

そして事代主神も、大国主神の子です。

つまり、事代主神と建御名方神は兄弟。

以前訪れた諏訪大社と、今回の出雲の旅が、ここで一本につながったような気がしました。

神話をたどっていくと、場所は遠く離れていても、そこに登場する神々がつながっている。

こういう発見が、神社を巡る旅の面白さですね。

大国主神と少彦名命が出会った場所

美保関は、もう一つの神話ともゆかりがあります。

ここは、大国主神が少彦名命すくなびこなのみことと出会った場所とも伝えられています。

海の向こうから現れたのは、手のひらに乗るほど小さな神様。

その姿から、一寸法師のモデルになったともいわれています。

大国主神と少彦名命は力を合わせ、国づくりを進めていったと伝えられています。

美保神社から10分ほどのところには、美保関灯台があります。

そこから海を眺めながら、

「少彦名命は、この海の向こうから現れたのだろうか」

そんなことを想像していました。

神話の舞台となった場所に実際に立つと、昔の物語がとても身近に感じられます。

静寂に包まれた須佐神社

東京行きのサンライズ出雲は19時発。

まだ時間はあります。

できるだけ多くの場所を訪れたかったので、この日はお昼ごはんも食べず、そのまま次の神社へ向かいました。

次に訪れたのは、須佐神社。

須佐神社は、須佐之男命すさのおのみことの御魂を祀る神社として知られています。

『出雲国風土記』には、須佐之男命がこの土地を気に入り、

「自分の名前は木石ではなく、土地につける」

として、この地を「須佐」と名付けたと伝えられています。

出雲そのものが静かな土地ですが、須佐神社はさらに山あいに入った場所にあります。

境内に入ると、周囲の音が少なくなったように感じるほど静かでした。

須佐之男命がこの場所を気に入った理由も、なんとなく分かる気がします。

出雲発祥のぜんざい

その後、出雲大社の参道へ戻り、ようやく少し休憩。

ぜんざいをいただきました。

実は、ぜんざいは出雲発祥といわれています。

出雲では旧暦10月を「神在月」と呼び、全国から神々が集まるとされています。

その「神在(じんざい)」がなまって、「ぜんざい」になったという説があります。

日御碕神社へ

帰りの電車までは、まだ少し時間があります。

そこで、最後に向かったのが日御碕神社ひのみさきじんじゃ

出雲大社から車でそれほど遠くなく、海岸線を走って向かいます。

日御碕神社は、日本海を望む場所に鎮座しています。

伊勢神宮が「日本の昼を守る」のに対して、日御碕神社は「日の本の夜を守る」神社とされています。

境内には、天照大御神を祀る下の宮「日沉宮」と、須佐之男命を祀る上の宮「神の宮」があります。

天照大御神と須佐之男命が同じ境内に祀られていることも、この神社の興味深いところです。

神社のすぐ近くには経島ふみしまという島があります。

ここは神職以外は立ち入ることのできない特別な場所。

その周辺には、地元のダイバーによって発見された海底遺跡もあり、一説には約2500年前のものともいわれています。

神社だけではなく、その周辺の海や島にも、まだ知られていない歴史が眠っているんですね。

出雲の旅を終えて

こうして振り返ってみると、今回の出雲の旅は、たい焼きのしっぽまであんこが入っているような、最後まで充実した旅でした。

古代の遺跡を訪れ、神話に登場する場所を歩き、由緒ある神社に参拝する。

実際にその土地を歩いてみると、ここに暮らしてきた人たちが、古くからこの土地や神々を大切にしてきたことが伝わってきます。

2026年には、島根県立古代出雲歴史博物館もリニューアルオープンするそうです。

まだまだ見たい場所はたくさんあるので、また出雲に来たいと思います。

帰りは、無事にサンライズ出雲の予約も取ることができました。

夜に出雲を出発して、古事記を読みながら眠って、目が覚めたら東京駅。

最高の旅でした。

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