昨年、出雲へ旅行に行ってきました。
神社について勉強するようになってから、いつか訪れてみたいと思っていた場所のひとつが出雲です。
国譲りや大国主大神の国造りなど、古事記の重要な神話が数多く描かれている出雲は、まさに「古事記のど真ん中」と言っても過言ではありません。
せっかく訪れるなら、八百万の神々が出雲に集まるとされる旧暦10月の「神在月」に行ってみたい。
一般的に旧暦10月は「神無月」と呼ばれますが、出雲では全国から神々が集まることから「神在月」と呼ばれています。
旧暦10月は現在の暦では10月下旬から11月頃にあたるため、今回はその時期に合わせて出雲を訪れました。
東京から出雲へ
本当は、寝台特急「サンライズ出雲」に乗って行きたかったのですが、残念ながら予約が取れませんでした。
そこで今回は、東京から新幹線で岡山駅へ。
岡山駅からは特急「やくも」に乗り換え、出雲へ向かいます。

長距離の移動ではありますが、はじめて見る景色を楽しみながら、少しずつ目的地へ近づいていく時間も、旅の醍醐味のひとつです。
出雲に到着して、まず向かったのはお昼ごはん。
せっかく出雲に来たのだから、まずは出雲そばです。
今回は「献上そば 羽根屋」でいただきました。

そばにはそれほど詳しくありませんが、これまで食べた中では一番好きなそばだったかもしれません。
🍵 献上そば 羽根屋 本店
住所:島根県出雲市今市町本町549
電話:0853-21-0058
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜19:00
定休日:1月1日
Googleマップで見る
お腹を満たしたところで、駅でレンタサイクルを借り、いよいよ出雲大社へ向かいます。
ただ、出雲大社へ行く前に、まず立ち寄りたい場所がありました。
まずは稲佐の浜へ

最初に向かったのは、稲佐の浜です。
なぜ最初にここへ向かったのか。
それは、出雲大社の境内にある素鵞社へお参りする際、稲佐の浜の砂を納めるという習わしがあるからです。
せっかく出雲大社へ行くのなら、その前に稲佐の浜へ立ち寄り、砂をいただいてから向かおうと思いました。
そして、この稲佐の浜は、古事記に描かれる国譲りの舞台でもあります。
古事記の「上つ巻」に描かれる神話の中でも、特に印象的な場面のひとつが、ここ稲佐の浜を舞台にした国譲りの物語です。
ここに、武甕槌神が降り立ちます。
諏訪大社の記事でも触れた、鹿島神宮にお祀りされている神様です。

剣を砂浜に逆さに突き刺し、その上にあぐらをかいて座ったとされています。
「いや、これ……お尻に刺さらないのかな」
そんなことがちょっと気になって、思わず笑ってしまいました。
「ここで国譲りの物語があったのか」
そう思いながら、しばらく稲佐の浜を眺めていました。

ちなみに、実際に国譲りの交渉が行われたとされる場所は、ここから徒歩で約5分のところにある屏風岩です。
神話の舞台を実際に歩いてみると、古事記の物語が少し身近に感じられます。
さて、ここからいよいよ出雲大社へ向かいます。
出雲大社へ

稲佐の浜から自転車を走らせ、出雲大社へ。
境内へ入り、参道を進んでいきます。

参道の右手に見えてくるのが、祓社。
ここでまず身を清めてから、さらに先へ進みます。

少し進むと、右手には幸魂・奇魂の銅像があります。
幸魂・奇魂とは、大国主大神が国造りを進めていたとき、海の彼方から現れた神のことです。
日本書紀によると、その正体は大物主神であり、大国主大神自身の「幸魂・奇魂」であると名乗ったと伝えられています。

そして左側には、出雲大社を象徴する存在のひとつ、因幡の白兎の銅像があります。
ワニザメをだまして海を渡ろうとした白兎が、皮をはがされてしまう神話ですね。
そこに大国主大神が現れ、白兎を助けたとされています。
大国主大神といえば「縁結びの神様」というイメージが強いですが、実は医療・医薬の神様としても信仰されています。
ここからさらに境内を進み、いよいよ出雲大社の中心へ向かっていきます。
出雲大社の拝殿へ

第四の鳥居をくぐると、正面に見えてくるのが出雲大社の拝殿です。
出雲大社には、一般的な神社とは少し異なる参拝作法があります。
一般的な神社では「二拝二拍手一拝」が基本ですが、出雲大社では「二拝四拍手一拝」。
4回の拍手には、出雲大社ならではの信仰や意味が込められているとされています。
ここからは、境内を右回りに巡っていきます。
出雲大社の十九社|神在月に集まる神々の宿
境内の東西には、「十九社」と呼ばれる社があります。
簡単に言えば、出雲に集まった神々が滞在する宿のような場所です。
旧暦10月の「神在月」には、全国から多くの神々が出雲に集まるとされています。
その神々が滞在する場所として、境内の東西に十九社が設けられています。

神在月に出雲大社を訪れるなら、ぜひ見ておきたい場所のひとつです。
出雲大社の素鵞社|稲佐の浜の砂を納める
境内の北側には、素鵞社があります。
ここでは、先ほど稲佐の浜でいただいた砂を納めます。


そして、納めた砂と同じくらいの量の砂を、素鵞社からいただくことができます。
この砂は、土地や家を災厄から守り、開運や縁結びにつながるご利益があるとされています。
私もいただいた砂は自宅へ持ち帰り、神棚に置いています。
稲佐の浜で砂をいただき、出雲大社の素鵞社へ納める。
こうした習わしを実際に体験してみると、出雲大社への参拝が、ただ境内を歩いてお参りするだけではないことを感じます。
出雲大社の大しめ縄|西側にある日本最大級のしめ縄
境内をぐるりと巡り、素鵞川を渡って西側へ向かいます。
すると見えてくるのが、出雲大社を象徴する存在のひとつ、大しめ縄です。

長さ13.6メートル、重さ5.2トンにもなる国内最大級の大しめ縄。
島根県飯南町の住民や職人の方々によって、すべて手作業で作られているそうです。
これほど大きなしめ縄が、人の手によって作られていると考えると、その迫力にも驚かされます。
そして、この大しめ縄は2026年に新調されたばかりとのこと。
長い歴史を持つ出雲大社ですが、こうしたものが今も人の手によって受け継がれていることにも、どこか惹かれるものがありました。
出雲大社を歩いてみて
こうして出雲大社を一通り巡り、初日は終了。
神話を読んでから実際にその舞台を訪れてみると、これまで知識として覚えていた神様や物語が、少し違って見えてきます。
稲佐の浜で国譲りの舞台に立ち、出雲大社では神話に登場する神々や、古くから続く習わしに触れる。
神社巡りの集大成として訪れた出雲でしたが、初日からかなり濃い一日になりました。

そして翌日は、車を借りて出雲周辺の神社をさらに巡ります。
まだまだ訪れたい場所はたくさんあります。
明日は、どんな神社に出会えるのでしょうか。


