世界最強のサンダルと呼ばれる『ワラーチ』を自作してみました。
「ワラーチ?なにそれ?」
「そんなので走って痛くないの?」
「サンダルみたいなので走ってる人、見たことある!」
ワラーチについて調べていると、そんな疑問を持つ方も多いと思います。
私も初めてワラーチを見たときは、
「こんな薄っぺらいので走れないでしょ(笑)」
と思っていました。
ところが、実際に履いて走ってみると驚きました。
「なにこれ!?」
足がスーッと自然に前に出ていく感じがしたんです。
この記事では、私が実際に作ったワラーチをもとに、必要な材料、作り方、7mmと10mmの違い、実際に走ってみた感想まで紹介します。
ワラーチを自作してみたい方はもちろん、
「ワラーチって本当に走れるの?」
と思っている方にも、参考になればと思います。
世界最強のサンダル「ワラーチ」とは?
ワラーチとは、メキシコの先住民族「タラウマラ族(ララムリ)」が履いているサンダルです。
薄いゴムとヒモだけで作られた、とてもシンプルな履き物です。
私がワラーチに興味を持ったきっかけは、ランニングフォームの悩みでした。
当時、私は踵から着地する「ヒールストライク」の癖がなかなか抜けず、どうすれば自然な走り方ができるのか悩んでいました。
そこで知ったのがワラーチです。
こちらはハーバード大学の研究で紹介された、ランニングシューズと裸足で走った場合の着地パターンの違いです。
一般的なランニングシューズでは踵から着地しやすく、裸足では前足部寄りの着地になりやすいことが示されています。
踵から着地すると、着地したときの衝撃が膝や骨盤に伝わりやすくなり、体への負担が大きくなります。
「靴底が厚いランニングシューズのほうが衝撃を吸収してくれるんじゃないの?」
私も最初はそう思っていました。
ところが、実際にワラーチを履いて走ってみると、今までとはまったく違う感覚がありました。
足がスーッと自然に前へ出ていく。
「なにこれ!?」
本当にそんな感じでした。
https://youtu.be/NaewMBptrOQ?si=OwbPn8wK4PLVuX9v
タラウマラ族のアルヌルフォ・キマーレ選手も、映像の中でワラーチのほうが走りやすいという趣旨の話をしています。
私も最初はランニングフォームを改善するために興味を持ったのですが、今では単純に走っていて気持ちいいからワラーチを履いています。
ワラーチを作るのに必要なもの
必要なものは、これだけです。
- ビブラムシート(7mm・10mm)
- パラコード(4mm 9芯)
- ハンマー
- 紙
- 穴あけポンチ(4mm)
- シャーペン、マジック
- 木材
予算は3,000円ほど。
小学生の夏休みの自由研究くらいの気持ちで作れます。
ビブラムシートは7mmと10mm
ワラーチには、登山靴のソールなどにも使われているビブラムシートを使います。
私が使用しているのは7mmと10mm。
7mmは軽くて路面の感覚が伝わりやすく、10mmは厚みがあるぶん安心感があります。
私は、
- ロード → 7mm
- トレイル → 10mm
という感じで使い分けています。
7mmは最初こそ「こんなので大丈夫?」と思いましたが、2〜3回走るとかなり慣れました。
ただし、石や木の枝を踏めば普通に痛いです(笑)
パラコード
ヒモには4mm・9芯のパラコードを使用します。
片足で150cmほどあれば作れます。
パラコードは消耗品なので、長めに購入しておくと安心です。
ワラーチの作り方
STEP1|足型を取る
A4用紙に足を置き、鉛筆で足の外周をなぞります。
ポイントは鉛筆を垂直に立てること。
画像では指と指の間まで書いていますが、足の外周のみでOKです。
STEP2|型紙を作る
見やすいように赤ペンでなぞりました。
これをハサミで切ります。
型紙の完成です。
STEP3|ビブラムシートを切る
型紙をビブラムシートに合わせ、枠線を書きます。
ズレないようにテープなどで固定しておきましょう。
あとは、ハサミで丁寧に切るだけです。

切り口が気になる場合はヤスリで整えればOKです。


STEP4|穴を開ける

実際に足を置いて、パラコードを通す4箇所に印を付けます。
ここは重要です。
穴の位置がズレると、パラコードが足に当たって痛くなることがあります。

印を付けたら、4mmのポンチで穴を開けます。
ポンチのサイズはパラコードと同じサイズを選びましょう(4mmのパラコードなら4mmのポンチ)。

無事に穴が開きました。
STEP5|パラコードを通す

パラコードを片足約150cmほどにカットし、先端をライターで軽く炙ってほつれを防ぎます。
あとは穴にパラコードを通していくだけ。

結び方はマンサンダルさんの動画が分かりやすいので、そちらを参考にしてください。

これで完成です!
実際にワラーチで走ってみた

履いてみると、まず感じるのが圧倒的な開放感。
シューズのような圧迫感がなく、夏場は特に快適です。
そして、走ってみると……
「足に羽が生えた感じ」
子供の頃に裸足で走り回っていた感覚に近いでしょうか。
足が自然に前へ出ます。
そして何より、
走っていて楽しい。
ドラマ『陸王』で、
「なんか分からないんですけど、走っていて楽しいんですよね」
というセリフがありましたが、まさにあの感覚です。
ワラーチで走ったら心拍数が低かった
ここからが、私自身が一番驚いたところです。

同じ時期に、できるだけ同じペースでランニングシューズとワラーチを履き比べてみました。
すると、ワラーチで走ったときのほうが心拍数が低かったんです。
「もしかしてペースが遅かったのかな?」
と思ってランニングウォッチを確認しましたが、ペースはいつもとほぼ同じ。
もちろん一度の比較なので、これだけでワラーチのほうがランニング効率が高いとは言えません。
ただ、私自身はかなり衝撃を受けました。
自分なりに考えてみると、理由のひとつは走り方の無駄が減ったことではないかと思います。
ランニングシューズを履いていた頃の私は、無意識に効率の悪い動きをしていたのかもしれません。
イメージとしては、
「ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる」
ような状態です。
ワラーチは路面の感覚がダイレクトに伝わるため、そうした自分の走り方に気づくきっかけになりました。
『BORN TO RUN』に書かれていた衝撃的な言葉
ワラーチについて調べていたときに読んだのが、クリストファー・マクドゥーガルの『BORN TO RUN』です。
そこには、こんな印象的な言葉が出てきます。
これは自己補正装置なんだ。
足をクッションつきのシューズで覆うのは、煙探知機の電源を切るようなものだ。(P224)
この考え方は、実際にワラーチを履いてみると少し分かります。
ワラーチは薄いので、着地の仕方や足裏への刺激をごまかしにくい。
逆に言えば、自分の走り方を見直すきっかけになるんです。
「そのフォームで走っていると、いつか怪我をするかもしれませんよ」という警告を送ってくれるというわけです。
ワラーチを履くと筋肉痛になる?
最初の頃は、普段のランニングではあまり使っていなかった部分が筋肉痛になりました。
これも私にとっては面白い発見でした。
「今まで、こんなところを使っていなかったんだ」
と、自分の身体の使い方を知るきっかけになったからです。
ワラーチは普段のシューズとは違った負荷がかかるので、最初から長距離を走るのはおすすめしません。
まずは歩くところから始めて、短い距離を少しずつ試してみるのがいいと思います。
薄いゴム一枚なので、最初は「やっぱりシューズのほうが快適だな」と感じるかもしれません。
でも、正しいフォームを身につけるためのプロセスだと思って、少しずつ慣れていきましょう。
まとめ
今回は、ワラーチの作り方と、実際に走ってみた感想を紹介しました。
薄いゴムとヒモだけのシンプルなサンダルですが、実際に走ってみると、
「なにこれ!?」
と思うほど、走り心地が違いました。
特に印象に残ったのは、足が自然に前へ出る感覚と、走ることが楽しくなる感覚です。
もちろん、ワラーチがすべての人に合うわけではありません。
それでも、自分の走り方を見直してみたい方には、一度試してみる価値があると思います。
まずは歩くところから。少しずつワラーチに慣れてみてください。















