春に伊勢神宮にお参りした時、授与所で神棚が売られていることが気になりました。
それから東京の自宅に戻ってからも、ずっと神棚のことで頭がいっぱいの日々を送っていました。
理由は「なんかいいな」という、とんでもなくライトなもの(笑)
部屋にあったらカッコいいし、神様がいる暮らしってなんかいいな、という今思えば本当に軽々しい理由です。
そもそも神棚がどういうものなのかもよく知らない。
「そういえば、おじいちゃんおばあちゃんの家にあったな」
くらいの認識でした。
「日本人なのに、日本のことを知らない」
でも、神棚について調べようとすると、あることに気づきました。
「日本人として恥ずかしいな」
そんな気持ちと、危機感すら感じました。
日本人なのに、日本のことを知らない。
この国の成り立ちや歴史、信仰、土地、文化についての知識があまりにも少ない。
これは、昔海外留学をしていた頃にも感じたことです。
海外に出ると、日本について聞かれる機会があります。
そのときに、自分の国のことをほとんど説明できない。
そこで初めて、もっと日本のことを知らなければいけないと思いました。
今回も同じでした。
神棚をきっかけに、日本の文化や神道について、もっと知りたくなったのです。
唯一の救いといえば、学習意欲と行動力、好奇心だけは人一倍強いということ。
もともと神社は好きだったので、これを機に神棚についてもきちんと学び、自宅に神棚を祀ることを決めました。
神棚って、どこで買うんだろう?
まず、ここからです。
神棚って、そもそもどこで買うんだろう?
知識ゼロ。
いろいろ調べてたどり着いたのが、静岡木工さんが展開している「神棚の里」でした。
ホームページやYouTube、Instagramなどで、とてもわかりやすく解説されていることに惹かれました。
また、扱っている商品の種類も豊富で、幅広い選択肢の中から選べる点も魅力でした。
実店舗が日本橋のコレド室町にあるということで、数日後には足を運んでいました。
神棚の里 日本橋コレド室町店
- 住所:東京都中央区日本橋室町1-5-5 コレド室町3 2F
- 営業時間:平日 11:00〜20:00/土日祝 10:00〜20:00
- 電話番号:03-5542-1132
- 店舗公式ページ
※営業時間などは変更になる場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。
伊勢神宮から日本橋へ。神棚を探しに行く


ということで、日本橋に到着。
言わずもがな、江戸五街道の起点です。
日本橋からお伊勢参りに向かう人たちの旅の起点でもありました。
伊勢神宮で神棚に惹かれ、神棚を買いに日本橋まで来る。
なんだか運命的なものを感じます。


店内は落ち着いていて、とても綺麗。
店員さんが親切に、神棚や棚板、神具などをレイアウトしてくださいました。
実物を見ないと、なかなかサイズ感がわかりません。
棚板や神具にも種類やサイズがあり、希望する神棚に合うものを選んでいただきました。
実店舗に足を運んで正解でした。
木曽檜の神棚を選びました

そして、こちらがマイ神棚です。
いくつか検討した結果、木曽檜(きそひのき)でできているものを選びました。
木曽檜は高級木材で、伊勢神宮の御造営用材としても使われています。
ここが、私にとっての決め手でした。
やはり天照大御神がお住まいになるのだから、伊勢神宮と同じ素材にしたほうが、天照大御神も住みやすいのではないか。
……完全に私の勝手な想像です(笑)。
木曽檜の神棚になると値段も上がります。
それでも、一生大切にしていくものですし、今後買い換えることはまずないと思います。
だったら、自分が愛着を持てるものを選びたい。
そう考えて、木曽檜の神棚に決めました。
もちろん配送もしていただけます。
ただ、あまりのテンションの高さに、その日のうちに電車で抱き抱えて帰りました。
親切に教えてくださった店員さんに感謝です。
そもそも神棚とは?

神棚というのは、わかりやすく言うと「ミニ神社」です。
神社は神様のおうちですから、神棚を祀るということは、家の中に「神様のミニハウス」を設置するようなもの。
一般的に「神棚」というと、全体をまとめてそう呼びますが、厳密にはそれぞれに名称があります。
神棚の「宮形」とは?

こちらが宮形(みやがた)です。
神棚の中心となる部分で、神社のお社にあたります。
この中に、神社でお受けした御神札(おふだ)をお納めします。
宮形にはいくつかタイプがあります。
私が選んだのは、「三社造り」。
中央と左右の三つのスペースに御神札をお祀りするタイプです。

【中央】神宮大麻
伊勢神宮のお神札をお祀りします。
【向かって右】氏神神社
自分が住んでいる地域を守ってくださる神様の御神札です。
【向かって左】崇敬神社
個人的に崇敬している神社の御神札です。
一社造りの場合は、手前から神宮大麻 → 氏神神社 → 崇敬神社の順に重ねてお祀りします。
神棚の神具とは?

神棚にお祀りする道具一式のことを、「神具(しんぐ)」と呼びます。
一般的には、
- 水玉(水をお供えするもの)
- 皿(米や塩をお供えするもの)
- 瓶子(へいし・お酒を入れるもの)
- 榊立て
- 神鏡
そのほか、より丁寧にお祀りするために、灯籠や真榊(まさかき)などを置くこともあります。

中央に、八足台(はっそくだい)と呼ばれる台座を置いています。
その上に、左から水玉、米、塩を置いています。
その左右には、お酒や榊、真榊、灯籠などを配置しました。
真榊とは?三種の神器を飾る神具

こちらが真榊(まさかき)です。
真榊には、三種の神器を象徴する剣・鏡・勾玉が飾られています。
神社でも、大きな真榊が祀られていることがありますね。
神棚の注連縄と紙垂にはどんな意味がある?

神棚の上部には、注連縄(しめなわ)を飾りました。そこから紙垂(しで)という紙を垂らしています。
注連縄は雲を、紙垂は雨を表し、古来からこの国の五穀豊穣を願ったものとされています。
また、注連縄には、神様の住む世界と、私たち人間の住む世界との境界を示すという、鳥居と似たような意味もあります。
神社の鳥居と同じように、ここから先は神聖な場所ですよという境界線のようなものです。

神棚の上に部屋がある場合は、「雲」と書かれたものを貼ることがあります。
これは、神棚の上には誰もいないということを表すためのものです。
二階の床が神棚の真上にある場合などに、神様の上を人が歩くことになってしまうため、「ここから上は空ですよ」という意味を示します。
神棚の向きやお供えに決まりはある?
神棚には、いくつか基本的な祀り方があります。
例えば、神棚の正面が南向きまたは東向きになるようにすること。
また、毎日のお参りやお供えを大切にすること。
私も、1日と15日には神饌(しんせん)を取り替えるなど、できる範囲で丁寧にお祀りするようにしています。
ただ、ここで大切なのは、神棚の祀り方に絶対的なルールがあるわけではないということです。
大切なのは「神様を大切に想う気持ち」だと思います。
神棚は「願い事」より「誓い」を立てる場所
ここからは、少し私自身の考えです。
神社にも神棚にも共通して言えることだと思いますが、私は、参拝したからといってご利益があるとは考えていません。
そもそも、ご利益を期待したり、願い事をする場所というより、「誓いを立てる場所」あるいは「日々の平穏に感謝する場所」だと考えています。
そのほうが、私にはしっくりきます。
商売繁盛を「願う」のではなく「誓う」
例えば、商売繁盛。
「たくさんお客様が来てくれますように」
というのは「願い」です。
それよりも、
「たくさんのお客様が来てくれるように、真面目に仕事に向き合います」
と誓う。
そのほうが現実的ですし、自分自身も「頑張ろう」と思えます。
健康祈願も、自分自身への誓いに変える
健康も同じです。
「今年一年、健康に過ごせますように」
と願うのではなく、
「今年一年健康に過ごせるように、規則正しい生活習慣を心掛けます」
と考える。
これは他力本願ではなく、極めて能動的な姿勢です。
神様にお願いして終わりではなく、自分自身が行動することを誓う。
私は、そのほうが神様との向き合い方として自然なのではないかと思っています。
神様にお願いするだけでは、ちょっと都合が良すぎる

いくら神様といえど、一人ひとりの願いをすべて聞いていたらキリがありません。
それに、多くの人は初詣くらいしか神社に行かないのではないでしょうか。
初詣すら行かない人も大勢います。
それなのに、たまに参拝して、
「商売が繁盛しますように」
「健康でいられますように」
そうお願いする。
……都合が良すぎるにもほどがあると思うのです。
神棚は、自分を見つめ直すための場所
神棚を祀るということは、神様にいつもそばにいていただき、その存在を意識することで、日々の自分の言動を戒めることなのだと思っています。
日々、謙虚に努力を重ねる。
人に対して恥ずかしくない行動をする。
自分で決めたことを守る。
そんな自分でいるために、神様の存在を身近に感じておく。
私にとって、神棚はそんな場所です。
スピリチュアルではなく、日本の文化として
それ故、私はスピリチュアル的な考え方にはあまり興味がありません。
「これを身に付けると運気が上がる」
「ここの神社に行くとパワーをもらえる」
「5円玉を入れるとご縁がある」
といった考え方にも、あまり惹かれません。
なので、神社も神棚も、「自分を見つめ直すための場」だと思っています。
正面に神鏡が置かれているのも、その象徴のように感じます。
鏡に映るのは、他でもない自分自身。
心を清め、偽りのない姿で神様と向き合う。
そう考えると、神棚に手を合わせる時間は、心の背筋をピンと伸ばす時間でもあります。
神棚が思い出させてくれる「八百万の神」
日本には、八百万の神(やおよろずのかみ)という考え方があります。
自然や土地、さまざまなものに神様を感じ、大切にしてきた日本人の精神です。
神棚をお祀りすることで、
人を大切にする。
物を大切にする。
食べ物を大切にする。
そして、日々の暮らしを大切にする。
そんな、日本人が古来から大切にしてきた感覚を思い出させてもらえるような気がしています。


