【鬼滅の刃】雲取山が完全に鬼滅ワールドと化していた話【日帰り登山】

「明日は猛暑日になります、熱中症にご注意ください」

テレビからそんな声が聞こえてきた。これは大チャンスである。まだ、東京は梅雨入りはしていないものの、毎日のように雨が続いていた。久しぶりの晴れ予報。ちょうど仕事も休み。行くなら明日しかない。

そんな流れで、唐突に「雲取山」に行くことを決心した。雲取山(くもとりやま)は、東京奥多摩町にある標高2,017mの山(東京都最高峰)である。

なぜそんな猛暑日に行くのか? それは9月に控えたレース「京都グランドトラバース」の予行演習をするためである。9月の京都は想像を越える暑さだろう。距離も55kmという、僕の中では過去最長の挑戦となる。

大会まで残り3ヶ月となったので、早いうちから耐暑トレーニングをはじめておきたかったのだ。「涼しい日に」なんて甘えた考えは、今の僕にとっては許されない。なので、急遽翌日登ることに決定したのだ。

なお、雲取山に登ったのは去年の4月以来。

ちょうど劇場版の鬼滅の刃が上映される前だったこともあり、こちらの記事はGoogle検索(「鬼滅の刃 舞台」で検索)でトップ表示されるまでに至り、今も多くの方々にお読みいただいております。本当にありがとうございます。

ちょうど第一回目の緊急事態宣言が発令された「当日」に登りにいったもんだから、物凄い批判を浴びるんだろうと思いきや、何事もなかったので少し安心。そして、納車も終わったので、せっかくなので車で行くことにした。

自宅を深夜3時に出発。いつもなら通り過ぎる鴨沢登山口でちょっと寄り道。そう「去年はなかったモノ」を発見したのだ。

炭次郎と禰豆子の模様をしたた「のぼり旗」である。前回の雲取山登山の記事でも紹介したけれど、雲取山は、鬼滅の刃の主人公「竈門炭次郎」と、彼の妹の「竈門禰豆子」の出身地なのである。

小袖駐車場に車を止めるので、鴨沢登山口から10分ほど車を走らせる。

駐車場までの狭い車道を登っていく。いつもグランツーリスモで練習しているので難なくクリア。

4:30 小袖の駐車場に到着。早く来たつもりだが、前日の宿泊組だろうか、8割型埋まっていて驚いた。

荷物をまとめて、準備運動を済ませて、5:00に出発。

登山口の周りにものぼり旗がズラーーっと。完全に鬼滅化してます。

緩い傾斜を登っていく。

雲取山は、山頂直下を除き、急登らしい急登はほとんどない。その代わり、フラットな部分が少なく、ひたすら緩やかな傾斜が続くので、それが地味にキツい。

ところどころ斜面が切れ落ちているので、慎重に進んでいく。

6:30 ブナ坂に到着。ここからは景色が開けてくる。

残念ながら富士山は見えなかったが、気持ちの良い青空だ。

山頂まであと20分くらいのところで、風が強くなってきた。メチャクチャ寒い。胸ポケットのラジオからは、各地で強風警報や波浪警報がでているとの音声が聞こえてきた。

ザックからハードシェルを取り出す。もうすぐ山頂なので我慢しようかとも思ったが、こういうところで面倒臭がらないのが安全登山につながるのだろう。

つい先日、中国で開催されたトレイルランニングレースで21名が亡くなる事故が発生したばかりだ。原因は低体温症。その中には世界で活躍するトップ選手も含まれていたことから、山の怖さを改めて実感した。

雲取山は標高が2,017mある。東京では最も標高の高い山で、下界との気温差は12度ほど。風や汗冷えなどの要素が加われば、体感温度はさらに低くなるので、夏でも低体温症になる可能性は充分にある。なので、きちんとした登山装備が必要である。

数分走り、ようやく山頂の避難小屋が見えてきた。

7:18  雲取山山頂に到着。

今回は義勇さんも連れてきました。

ゆっくり景色でも見ながら持ってきたパンを食べようかと思ったが、山頂はさらに風が強かった。とりあえず写真だけ撮り、避難小屋のほうに引くことにした。

そこで、50代くらいのご夫婦に「何時に出発されたんですか?」と聞かれた。

「5:00ちょうどです」と答えると、「え、2時間半で登ってきたんですか!?」と驚いた反応が返ってきた。どうやら、そのご夫婦は昨日7時間半かけて登り、一泊してこれから下山するところだったようだ。

僕がはじめて登った時も、たしか同じくらいかかった記憶がある。その時が、テント泊デビューであり、装備もまだ厳選できるスキルがなかったので、ものすごくキツかった。

山の天候は午後になると崩れやすいので、早く登って早く下山することに越したことはない。だが、それでも速さを競うものではないし、安全に登ることが第一である。僕は、頂上に向かって登る行為そのものが美しいと考えている。

せっかく登ったのだから、もう少しゆっくりしたい気持ちもあったが、寒いので今回は早々に撤退することにした。というより、そもそも今日は耐暑トレーニングを第一の目的として来たのに、まったくその目的を果たせなかったという。

もうすぐ麓に着くという頃になって、ようやく暑くなってきた。ちょうどその頃、大勢の登山客とすれ違った。「もう降りてきたんですか!?」という声を何度か掛けていただいた。

恒例の腹筋チェック。コロナ渦になって1年半、自粛太りすることなくなんとか過ごせている。

9:14 駐車場に戻ってきた。車のドアを開けると、モワ〜〜〜ッ、と、ものすごい熱気で満たされていた。4時間少々の間で、夏と冬を味わったような気持ちになった。

これから本格的な梅雨入りとなるが、またタイミングを見計って、どこかの山に行きたいと思う。

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