富士山を0合目から日帰りで登ったら、想像以上に修羅場だった話。

今年も『富士山を少しでもツラく登りたい症候群』が発症しまして、先日、登ってまいりました。

今回で3回目となる富士登山。

1回目は一般的な5合目から、2回目は少しマニアックな0.5合目から登りました。

去年の記事です↓

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そして今回は0合目から登ってきました。

いずれも日帰りです。

「なんで日帰りなの?山小屋で寝ないの?」と聞かれますが、大勢の人と一緒の空間で寝れないからです(笑)  富士山はテントを張ることができないので、日帰りせざるを得ないのです。

装備はこんな感じ。水を含めて2kgちょいです。あまりに軽いので、山舐めてるだろ!という声が飛んできそうですが、自分に適したカロリーや水分量の計算、体質にあった防寒対策をしています。

 

スタート地点は、北口本宮冨士浅間神社。富士急ハイランドの少し先にある神社で、ここが富士登山の”ガチな”入り口です。

近くのコンビニの店員さんに「これから富士山ですか?そこに5合目までのバスの時刻表がありますからね」と言われましたが、ここで話が膨らむのも面倒なので、0合目から走って登るなんて言えませんでした。

神社脇にある駐車場に車を止めさせていただきました。自宅で米を大量に食べてきましたが、ここでもピーナッツたっぷりのランチパックを食べてエネルギーチャージ。

少し寝てから早朝5時に出発する予定でしたが、時間を早めて2時過ぎに出発しました。というのも、登山の前日は興奮して眠れないことが経験上分かっていたので、少しでも早く出発して、早く下山することにしました。

特に、山は午後になると天候が崩れ始めることが多いので、少しでも寝るべきか、早くスタートするべきか、いつも悩みます。後述しますが、時間を早めて正解でした。

そんなこんなで準備を済ませて、神社でお参りをして、いざ出発。

まずは0.5合目の馬返しへと向かいます。神社から10kmほど進んだあたりにあります。ここまではマイカーで行くことができるので、去年はここに車を止めてから登りました。

馬返しまでの道のりですが、基本的に「森」です。

みなさんご存知の青木ヶ原樹海とは異なりますが、それでも真っ暗です。街灯すらないので周りの景色どころか自分の足元すら見えません。ヘッドライトのバッテリーが切れればアウトです。

さっきまでは「よっしゃ、登るぜ!!」なんて奮い立っていましたが、開始1分もしないうちにビビりはじめます。

そう、今回の富士登山でなにが修羅場だったかというと、体力的な話ではなくて、この暗闇の富士山の麓を抜けなければならなかったことです。

学園祭のお化け屋敷すらまともに入れない私が、大丈夫なはずがありません。

なるべく後ろや横は向かないようにして、FFのサントラを聴きながら、無理矢理テンションを高めて走ります。

10kmくらいだから1時間も走れば着くだろうと思っていましたが、、、ここずっと上り坂なんです。去年は車で一気に駆け抜けてしまったので気付きませんでした。

ただ、あまりの恐怖から疲れなどまったく感じず、ひたすら前へ進みました。

5km地点の中の茶屋に到着。2~3人の男性に会いましたが、日の出まで待機するようでした。

ここからさらに勾配がキツくなります。

と言っても、暗過ぎて何も伝わらないという。結構強力なヘッドライトを使っていますが、この明るさが限界です。

出発から1時間ちょっとで馬返しに到着。

もう明らかに立ち入ってはいけないオーラ全開です。

ここから、本格的な山道に入ります。お手洗いを済ませて出発。

ここで事件発生。

私の勘違いだと願いたいのですが、鳥居の前で一礼をした時に、右腕のワキのあたりに人の手のようなものが見えて

うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!

なんて絶叫してしまいました。

全身に鳥肌が立ち、血の気が一気に引きました。後ろを振り返っても誰もいないので、前を振り返ったらいるんじゃないかというホラー映画お決まりのパターンも予想しましたが、誰もいませんでした。

カンペキに出鼻を挫かれ、腰を抜かしながら進んでいると、今度は

ギィーーーーーーーー!!!

という獣の声が前方から聞こえて来ました。明らかに私を威嚇している声です。登山道なので、迂回する道もなく、前に進むしかありません。真っ暗で何も見えないというのがまた恐怖です。

手をパチパチ叩いたり、足をドスドス鳴らしたり、シャーーー!シャーーー!と意味不明な声を発したりして(コブラの真似?)、必死に追いやろうとします。今思えば、相手を刺激するような行動で大変危険ですね。鳴き声が、少し遠くなったところで一気に駆け抜けました。

ガチなバイオ7という感じです。

馬返しを過ぎてからは、1合目、2合目…というように、小屋をチェックポイントにしながら進みます。

小屋といっても、今は使われなくなっているので、立ち入りが禁止されています。それがまた、いい雰囲気を醸し出していまして…

日中に見ても少し怖いのですが、夜だと直視できないレベルです。(なぜか写真は撮る)

朝の4時半になって、ようやく空が明るくなってきました。

5合目の佐藤小屋でひと休憩していると、綺麗なご来光を見ることができました。

太陽のありがたみです。さっきまで、ウォォォォォーーーー!!とかシャーーーーーー!!とかやっていた自分はなんだったのか。

5合目からは一般の登山客の方々と合流する形になります。

酸素が薄くなり、勾配もきついので、今の私の体力ではさすがに走ることはできないので、早歩きに切り替えます。

登山の格好ではなくトレイルランの格好をしているので、珍しく見えたのか、山小屋で休んでいるカップルさんに「お兄さんどこから来たんですか?」と聞かれました。

「0合目からです」と答えたら「は!!?」「え!!?」とビビられ、たくさん質問攻めをいただきました。「同じ人間だとは思えない」なんて変態発言もいただき、山ではこういうのがちょっと嬉しかったりします。

5合目からは、各合目ごとに小屋が何箇所もありますので、給水やお手洗いに困ることもありません。

登山といえばコーラ、コーラといえば登山というくらいコーラ好きな私は、小屋で買ったコーラをソフトフラスクに入れて登ります。

ただ、富士山くらいの高峰になると、気圧の変化でソフトフラスクがパンパンになりますので、コーラのような炭酸飲料を飲もうとすると、充満した空気が一気に放出されて鼻に激痛が走ります。コツが必要なようです。

富士山の吉田口山頂到着。

令和元年の御朱印をいただきました。御朱印帳が水分の次に重いんじゃないかってくらいでしたが、持ってきた甲斐がありました。

さらに歩くこと20分、最高峰の剣ヶ峰に到着。

いつ登っても最高の瞬間です。日本にここより高い場所は他にありません。

日本に留学に来ているというシンガポール人の男性と仲良くなりました。同じくらいの年齢だと思います。今回が初めての富士登山だそうです。お互いの登頂を祝福し、山頂で写真を撮った後、一緒にお鉢巡りをしました。

「一人?」と聞いたら「うん、友達誘ったんだけど、誰も来なかったんだよ」と言っていました。

日本に留学に来て、日本最高峰の山に登るなんて、最高の思い出になるんじゃないでしょうか。

山頂で出会った人って一生忘れることがないと思っていますので、富士山に登ったら0合目から登ってきた変態がいたという土産話にしていただけると嬉しいです。

空ってこんなに蒼かったんだといつも思います。

「富士山は登るより、眺めていたい」という声もありますが、そういう人も一度は登ってみていただきたいです。

どの山にも言えることですが、登った後に眺める富士山って、また違う富士山に見えるんですよね。

山頂で味噌ラーメンをいただき、満腹になったところで下山開始です。

富士山の下山は気持ちよく走れる道です。最高速でかっ飛ばせるという感じ。ですが、他の登山客の迷惑にならないよう、追い抜く時は必ず歩くようにし、「すいません」と一声かけるようにします。これはトレイルランナーとしての最低限のマナーとルールです。

山頂から5合目までは、通常だと3時間 ~ 4時間ほどかかりますが、40分という最短記録で下りることができました。

本来であれば、ここで缶ビールでも買って一杯やりながらバスで新宿まで帰れるものを、また走って浅間神社まで戻らなければなりません。気の遠くなる行程です。

ただ、暗闇だった登山道ははっきり見えるので、その点では精神的負担は少なかったです。

馬返し、中茶屋を越えて、硬いアスファルトが続きますが、あれだけ絶叫をあげていた道も日中だと気持ちよく走れます。

午後2時。無事に浅間神社に帰ってきました。

距離45.8km、行動時間11時間50分、消費カロリー約4,199kcal、累積標高約2837m。

なかなかハードな行程でしたが、標高が高い分、涼しいので、都心でショッピングでもしているほうがよほど過酷なんじゃないかと思いました。

御朱印をいただき、駐車場に戻って車に乗った瞬間、大豪雨が。出発時間を早めて正解でした。

まだ時間も早かったので、ふじやま温泉で疲れを癒し、ほうとうの名店「小作」に寄って帰りました。

ちょうど温泉から富士山が大きく見えたので、「さっきまであそこの頂上にいたのか。人間ってすごいなぁ。」と改めて感じました。