【国内最難関】難攻不落の「剱岳」に単独テント泊で登ってきた話。

登山をしたことのない人にとっての憧れの山は「富士山」です。

一方、登山が趣味だという人にとっての憧れの山の一つが、剱岳(つるぎだけ)です。

国内最難関クラスの山「剱岳」

剱岳は、富山県にある標高2,999mの山。日本百名山の一つでもあります。剱岳は日本一険しい山として知られています。というのも、明治時代、日本地図の作成にあたり、最後まで埋められなかった前人未到・難攻不落の地だったからです。

剱岳の初登頂をテーマとした「点の記」という小説、映画がありますので、興味のある方はぜひご覧ください。ネタバレになるので詳細は伏せますが、何度見てもゾクゾクしますね。あれはロマン以外のなにものでもありません。

剱岳は、過去も現在も登山事故が多い山の一つです。今まで培ってきた知識と経験を生かし、夏山登山の集大成としてソロテント泊で登ってきました。

室堂から出発

新宿から毎日アルペン号(登山専用の夜行バス)を利用して、室堂に到着。1日目は立山を経由して剱澤小屋まで行きます。

ちなみに”立山”という山は存在しません。「雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士ノ折立(ふじのおりたて)」の三つの山を総称して立山(立山三山)と呼びます。写真の後ろに見えるのが立山です。

立山三山を越える

雄山山頂で神主さんにご祈祷をしていただきました。雄山は富士山、白山と並び「日本三霊山」の一つに数えられています。

眼下には黒部峡谷が広がり、黒部湖と黒部ダムも見えます。その向こうに見える山並みが後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)になります。

なぜ”後”立山連峰なのか?

今僕がいるのが立山連峰です(青枠)。日本海側の富山市内から見ると立山連峰が前、後立山連峰が後ろに見えるので「後立山連峰」と呼ばれています。

大汝山、富士ノ折立を越えて、ついに剱岳が姿を現しました!ご対面!

剱澤小屋に到着

14:30 剱沢小屋に到着。奥に見えるのが剱岳です。

この日は9月30日。下界は夏ですが、山はもう冬です。標高もほぼ3000mなので、夜は凍えそうになります。

夏用シュラフを持ってきて大後悔。体の芯から冷えると言うんでしょうか、ダウンを着込んでも寒いくらいでした。

剱岳に向けて出発

4:00起床。快晴無風。剱岳まではベースキャンプ方式で登るので、アタックザックに必要最低限の荷物を入れ、他はテントに置いていきます。コースタイムは往復7時間の予定です。

ヘルメットとハーネスを持参

剱澤小屋を出発するとすぐに岩場や鎖場が続きます。

一歩でも踏み外せばアウトなので、安全確保のためにヘルメット(必須)とハーネス(任意)を装備に含めました。

容赦無く襲いかかる難所の連続

一服剱、平蔵のコル、前剱など、垂直の岩壁がこれでもかというほど続きます。当たり前ですが一瞬たりとも気を抜けません。

そして、最大の難所「カニのたてばい」が現れました。ここを登れば山頂です。

登っている最中は夢中になっているので感じませんでしたが、上から見るとなかなかの高度感です。

ボルダリングジムでトレーニングを積み重ねてきましたので、手がかりや足場を探すことには困りませんでした。鎖や杭が打ち込まれているので焦らなければ、さほど難しくはありません(あくまで個人の感想です)

それよりも、浮いている石もありますので、後続者に対して落石を起こさないように慎重になりました。そのために、ボルダリングジムでは「静かに登る練習」もしました。

剱岳に限った話ではありませんが、自分さえ登れればOK!という考えは登山者として失格ですから。自分が登ることだけでなく、他の登山者に配慮できてこそ、登山というスポーツが成り立つと僕は考えています。

悲願の登頂

8:31 剱岳山頂に到着。標高2,999m。登山を始めた頃からずっと夢見ていた場所なので涙が止まりませんでした。

天気も良いので、遠くに富士山も見えました!

まだ終わらない、待ち構える難所「カニのよこばい」

「家に帰るまでが登山」という言葉が、これほどまで合う場所がないのが剱岳です。そう、下山コースには「カニのよこばい」という難所があります。

「たてばい」があるなら「よこばい」もあります。字の如く、横向きに渡っていきます。僕はここではじめてハーネス・カラビナを使用しました。足場がほとんど見えないので慎重に進んでいきます。

無事にテン場まで帰還。そして、、、

11:15 無事にテン場まで戻ってきました。自分の家に帰ったかのような安堵感。

さて、この後の予定としては、室堂方面に向い、雷鳥沢でもう一泊する予定でした。しかし、計画していた時間よりも1時間以上早く戻ってくることができたので、室堂から富山駅行きの交通手段(バスやケーブルカー)が残っていることが判明。

「待てよ。そしたら富山駅から北陸新幹線で東京まで行ける?」と思ったら予想が的中。なので、急遽予定を変更して、その日のうちに東京に戻ることにしました。また寒い中寝るの嫌ですし。

富山駅に向かう

富山駅までは立山黒部アルペンルートを経由します。

バス、ケーブルカー、鉄道を次々に乗り継ぐ長旅です。道中、日本一の落差を誇る「称名滝」を見ることができました。登山とはまた違う旅行気分で楽しかったです。

富山名物「富山ブラック」をいただく

富山駅に到着。命懸けの一日だったので街の明かりに安心します。

富山名物「富山ブラック」もいただきました。味濃いめが好きな僕には堪りません。たらふく食べて、そのまま新幹線に乗って、無事に帰宅しました。

剱岳登山の前に見ておきたい映画

文中でもお伝えしましたが、剱岳は日本地図で最後まで埋めることができなかった場所です。

それが明治時代の話です。当時の話が、新田次郎さんの「点の記(小説)」に書かれています。僕は映画のほうを観ました。日本陸軍や山岳隊など、多くの方々が長い年月をかけ、命懸けで剱岳の登頂に成功するわけですが….

この先の話はロマンでしかありません。初めて観た時は本当に衝撃でした。僕の性格的に同じ映画って二回は観ないことがほとんどですが、この映画だけは何度も見たくなります。

都内の低山から登山をはじめ、地道な努力を重ねてようやく剱岳に登ることができました。僕を一回りも二回りも成長させてくれた山です。距離的にも難易度的にも気軽に行ける山ではありませんが、またいつか登りたいです。

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