【山岳写真】登山で使うカメラに超広角レンズ(16-35mm)を選んだ理由

登山で使うレンズは一本にしています。

私の場合は、写真を撮ることがメインではなく、あくまで登山を安全に楽しむことが前提だからです。

レンズが一本増えるだけで負担は増えますし、レンズを交換する頻度が多くなればコースタイムにも影響が出ます。さすがに日が暮れることはなくても、ペースを早めることになり、転倒や滑落のリスクは増えます。(私自身の話です)

長い時間をかけて考えた結果、超広角レンズ一本に絞りました。

目次

超広角レンズ(16-35mm F4)を選んだ理由

私が選んだのが『Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OS』です。

汎用性の高い標準ズームレンズでも構わないのですが、あえて超広角レンズを選んだことには理由があります。

ちなみに、カメラは『SONY α7R3』を愛用しています。

風景写真がメインであること

過去に撮ってきた写真の8〜9割が風景写真で、そのうち超広角レンズで撮ったものが最も目にとまります。雄大なアルプスの景色を、超広角の世界で写したいという欲は抑えられません。パース(遠近感)を効かせた写真が好きなことも理由の一つです。

ソロで登ることが多いので、もし誰かと登る機会が増えれば人物も撮ることになりますので、使い回しの良い標準ズーム(24-105mmあたり)を持っていくと思います。

絞りはF8で撮ることがほとんど

レンズはF2.8かF4のどちらにするか悩むところですが、私の場合はF4一択でした。

一般的にはレンズの開放値より2段ほど絞った数値が最もシャープに写ると言われています。実際に使うのはF5.6〜F8くらいのことが多いので、開放絞りで使うことはほとんどありません。

背景をぼかしてブツ撮りをしたり、高山植物はあまり撮りませんので(私の場合はF4で満足できるレベル)、あえて高額で、重量もあるF2.8のレンズを買うメリットをあまり感じませんでした。

星空写真は撮らない

美しい星空を眺めることができるのが登山の醍醐味の一つです。登山を始めたばかりの頃は、ダウンを羽織ってテントの外で星空を撮影していました。

しかし、最近は縦走することが多くなり「星を撮りたい < 疲れて早く寝たい」という気持ちが大きくなってきました。これもF4レンズにした理由の一つです。

星をきちんとした『点』で撮るには、できるだけシャッター速度を速くする必要があるため、F値が小さいレンズの方が有利です。シャッター速度が遅いと、星が点ではなく『線』で写ってしまいます。

F4レンズでもISO感度を上げることによりシャッター速度を速めることができますが、画質が犠牲になり、ノイズが目立ってしまいます。いつか星を撮りたくなった際は、重いのを覚悟でCanon 5D Mark4+16-35 F2.8を持っていくか、F2.8まで絞れるGRで代用します。

軽いは正義

SONYのカメラを選んだ理由は『軽いから』です。

しかし、軽いボディを選んだにも関わらず、レンズが重ければあまり意味がありません。F2.8が680g、 F4が518g。たったの162gの差と思われがちですが、実際に持ってみるとその差は歴然です。

サイズも一回り違います。ザックの容量は限られていますし、私の場合はショルダーハーネスにカメラを装着するので、あまりにレンズが大きいと、ちょっとした岩場を通過する際に足元が見にくく危険だと感じました。

F2.8レンズの半分の値段

F2.8レンズが295,000円、F4レンズが158,000円。

半分の価格です。金銭感覚は人それぞれなのでなんとも言えません。F2.8のレンズで撮りたい被写体があるのであれば惜しむべきではありませんし、それで自分の望んだ絵が撮れるあれば十分投資する価値はあると思います。

倍のお金を払って得られるメリットが私にはなく、そもそも重量やサイズが増すことによってデメリットすら発生するので、私の場合はF4レンズ一択でした。

まとめ

登山に限らず「どのレンズが良いか」という議論はどこでも繰り広げられています。なにが良いか悪いかではなく、目的や用途を考えて選ぶことが大切だと思います。

登山になると『体力レベル』『コースの形状や難易度』『ザックとの相性』なども考慮する必要があります。実際に現地で使ってみて初めてわかることも多くあります。

いずれにしても安全が最優先。写真を撮ることも大切ですが、無事にカメラを持って帰ってくることはそれ以上に大切なことです。

目次